知人の K さんから 絵手紙が届いた

葉書いっぱいに 描かれた ふきのとう

力強く大きく開いた葉と 中ほどに集まっている 薄緑色の蕾

 

雪解けとともに顔を出すとされている ふきのとう

その姿は まさに 春が来た喜びにあふれている

 

  何があっても はるは めぐる めぐる

 

その絵のそばに 添えられていた K さんの言葉が ずんと心に沁みた

そう 何があっても 私達がどんな思いをしていようとも

季節は めぐり 自然は素直に 自分たちの道を進んで行く

 

K さんは 1月に亡くなられた S 先生のお隣の方

以前 先生宅の庭で 洗濯物を干す私に

  こんにちは~ 今日もお忙しいんでしょ

と微笑みかけて下さった

 

S 先生と仕事をする間は どうしても簡単な食事になりがち

そんな私たちに 時折彼女の手作りのお惣菜が届いた

 

S 先生のご主人が亡くなられたときも

ご主人さまの書斎となっていた マンションの一室に出向き

部屋いっぱいにある 書類や書物を 一緒に片づけてくださった

 

コロナ禍が始まって しばらくはお会いする機会もなく

K さんとやっとお会いできたのは S 先生のご葬儀の時だった

久しぶりの そしてまた 思いもかけなかった状況の再会に

二人は思わず 走り寄って肩を抱き合った

 

K さんと私の二人は ご親族の方と一緒に

荼毘に付すのを見送り 収骨の儀にも参加した

そんな二人だったから

それほど密なお付き合いはなかったのに 

何かしら心で通じ合うものを感じていた

 

帰るときに頂いた手作りのこんにゃくと 添えてあったゆず味噌は

帰宅していただく 遅い時間の夕食のとき

ほっとさせてくれる 美味しさだった

 

ふきのとうの絵手紙を手にして また S 先生と K さんのことを思う

 

このところ続けて 数人の方がたの旅立ちを見送っている私にとって

何があっても 自然にめぐってくる季節は

以前より一層深く 心を揺らす

残酷とも言えるほどの毅然とした姿と

懐の深い大らかな優しさを 併せ持つ自然

そのような自然の摂理を 改めて思い知らされる

 

 

 

今日 買い物に行く道で 白いモクレンの花を見つけた

大きくふくらんだ蕾が 空の青さを背景に輝き

春の喜びをいっぱいに詰めていて 数日のうちに咲きそうな様子

 

私も…

何があっても どんな気持ちになろうとも

一時期は落ち込んだとしても

やがては 空を見上げて めぐる季節を味わって行けるように

 

そんな しなやかな心を 培っていけたらいいなと 感じた

 

大いなる 素晴らしい自然を 見習って…