木々の緑も濃くなり 新入生たちもすっかりに慣れてきたこの頃
この地域では 各学校で運動会の練習が始まった
中学校の運動場が近いこの部屋には
時折 練習している声や音楽が聞こえて来る
今中3の孫娘 N ちゃんは クラスの仲間と共に
ダンスや競技の練習に 頑張っている
リレーにも出るらしく 張り切っている様子が微笑ましい
アメリカから帰国したのが小学校だったので
こちらの生活にも 特に問題はなく
勉強にも 部活動にも 真剣に取り組んでいる
もちろん 色々な困難にも 出会っているだろう
目の前に立ちはだかる壁に もがいたり
様々な判断をするときに 葛藤していることもあるだろう
時折疲れた様子も 気持ちが揺れている様子を見せながらも
彼女は その真面目さと 熱い思いで
その時々で 何とか頑張って乗り越えて来ているようだ
思い起こせば お兄ちゃんの Y 君の時のこと
アメリカから帰国してすぐに入った中学校に なかなか馴染めなかった
まず同じ姿勢で じっと受ける授業に違和感を覚えていた
英語の時間には
君のよう発音では 聞こえない
と先生に咎められた
彼は アメリカにいた時と同じように話していただけなのに…💦
運悪く担任の先生が 英語の先生で
彼の辛さは 少しも理解してもらえなかった
学業がだめなら 大好きな運動で…
と思っていたけれど
運動会の練習が始まると 行進がきちんとできなくて
広い運動場で 名指して注意されたという
そのうち 彼は学校に行けなくなった
門の前まで行くと 足が止まり 吐き気に襲われることも…
その頃の私は 外から聞こえてくる先生の指導の声に
Y くんの事を思い 胸がずきずきと痛んでいた
でも今 頑張っている妹の N ちゃんのことを思うと
素直に その頑張りを讃え 応援する気持ちが湧いてくる
これほどまでに 育っていく環境で 状況は変わってくる
それぞれの子供たちが それぞれに異なった環境で生活してきた時
そこに集う子供たちは 一人ひとり違う思いや行動が身についている
それらを 単純に一つにまとめてしまおうとする教育の仕方は
やはり 考え直すべきだと思う
一人ひとりに応じた教育は 確かに とても手のかかることで難しい
その点はよく理解できるけれども やはり
それでも その理想に向かって 何とか変えなければいけない
今も ベランダの向こうから 練習している声が聞こえる
頑張っている N ちゃんの真剣な眼差しの顔と
以前の Yくんの 辛そうな顔が交互に浮かんでくる
今大学生になった Y くんは 持ち前の明るさで
彼なりのやり方で 自由に過ごしている
年老いたお婆ちゃんから見ると
何だか危なっかしく感じる時も あるけれど
あの困難を乗り切った彼だから きっと色々な経験をして
自分自身で解決していくだろう
今 聞こえて来る 元気な声を聞きながら 心から思う
N ちゃん 本当によく頑張ってるね
Y くん 本当によく頑張ったね
すべての子供たちが
それぞれの特性を活かせて
それぞれのやり方で 大らかに成長していけますように
そんな時代が来ることを
心の底から 祈っている