大岡山は娘の予感
大岡山にはT大学がある。
こことは縁がある。
親しい二人がここの大学にいて、二人ともオーケストラのメンバーでそれぞれチェロとヴァイオリンだった。
おもしろいのはこの二人、YさんとKさんだが、この二人と偶然大学祭で会ったときに、YさんがKさんに私を紹介したのだ。
つまりYさんはKさんと私が初対面だと思っていたのだ。Kさんも私とYさんは顔見知り程度の知り合いだと思っていたと言う。
それこそ高校のときからの、8年くらいの付き合いなのにである。
Yさんが大学祭で討論のあるメイドカフェをやるというので、そこに寄ったときに偶然会ったときの話だ。
私は同大の劇団「娘の予感」の大学祭公演を見に来たのだが、二人ともその劇団を知らなかった。院まで進んだというのに…
私が劇団「娘の予感」の舞台を観に行くようになったいきさつはよく分からない。
芝居友達の友達の友達が、という感じだと思うが記憶していない。
あるいは四大学(医科歯科、一ツ橋、外大)公演もしているので、その関係かもしれない。
劇団「娘の予感」はかなりミニマムなグループで、なかなか可愛いところがあって好きなのだが、舞台を設ける教室も同大の最果てにある。
今日(7月19日)もてっきり最果てだと思いそこへ行くと、なんと別の場所だった。
また、大岡山には「三鶴」という名店がある。
私が名店という場合はもつ焼きと煮込みの店である。
劇団「己擬人」を擁するH大学のある国立(くにたち)には「まっちゃん」という名店があり、劇団「娘の予感」を擁するT大学のある大岡山には「三鶴」という名店がある。
このコラボレーションはかなり強力である。
舞台を観に行く動機の何パーセントかが名店目的だったりするからだ。
「三鶴」の煮込みはコクのある甘さを抑えたハードタイプでなかなかいい味である。
焼き物も平均以上だが、面白いことに鳥もやっていて隣の人が食している鳥スープや鳥雑炊はうまそうである。(どうしてもモツに仁義を通すため鳥にありつけない)この日は「ハツモト」もあったらしいが私が注文したときは品切れだった。
もうひとつ特徴的なのは、他のつまみの味もいいのだ。
シメにもらった「水菜のおしたし」が大変美味だった。
名店の条件に、地元の人がひとりで来て静かに呑んでいく。そんな土着の店で時間、時代を重ねた店に悪い店はない。そんな店では、一人客が基本というのも少なくない。例えば鍋物ですら一人前からあるのだ。
しかし名店といえども閉店・廃業する場合は少なくない。
立ち退き、後継者難、体力的問題などが多い。
そして今後は名店が出てくる可能性は極めて低いのだ。効率と利潤だけが目的の高度に資本主義化した空間では生きられないからだ。経費節減目的で大量仕入れ、(廃棄も含めて)大量消費し、客ですら「旨さ」を求めないといった社会だからだ。
一人客が大半で、しかも静か…などは取り残された次元なのだろう。
オーケストラと芝居とモツ焼きが見事にコラボした文章でした。
劇団「娘の予感」夏公演、に続く。
書評『崩壊している司法』吉永満夫著
『崩壊している司法―横浜事件再審免訴判決と仕事をしない裁判官たち』吉永満夫著、日本評論社
再審裁判における免訴判決が請求人にとって利益があると判示する意味が理解できる人はいるだろうか?おそらく銀河系でその判決文を書いた裁判官(あるいは裁判長)だけだろう。
特に横浜事件の場合、というより再審での免訴判決は横浜事件以外に知らない。
当事件では当事者は全員死去している。その死去している当人が得る利益というのは、判決文から行くと「訴訟手続きからの解放(もう刑事訴追されないという安心感)」だと言う。
当事者は死去しており、再審請求人は遺族である。
死去した人間に、さらに有罪判決を受け下獄した人間に、「訴訟手続きからの解放」があるから免訴判決は利益があるという判決文はどうして書けるのか?実に素朴な疑問である。
請求人の目的は無辜の救済だからだ。名誉の回復だからだ。
再審請求審でも再審裁判でもその無実性は争う余地がない。
なのに、どうして「免訴」なのか?
著者は免訴の基本的な説明から始め、横浜事件再審裁判における免訴判決の意味を説き起こす。それは謎解きに似ている。
そして、それを人権侵害と糾弾する。
著者は別のところだが、こう言っている。
「社会では玉石混交の人々の中から様々な選別過程を経てリーダーが登用されているのに、裁判官社会では若いときにたまたま司法試験を受かったというだけで終身裁判官として処遇される」
また、本書でも「裁判官自身が批判される手続きはない」「裁判官が一般の市民から具体的・個別的に批判される機会は全くない」と言っておりある種の制度欠陥・機能欠陥を指摘している。
裁判官に関しては、裁判官の良心(憲法76条)に対する思考の哲学性について述べている。
そして、裁判に哲学性があるか、思想性があるかという視点から評価したいと言う。
昨今多く出ている裁判官批判本とは一線を画していて、法曹一元制度の提案をしている。これは以前から私も可能性を感じていただけに強い説得力を感じた。
著者の誠実さに救われる本かもしれない。
『崩壊している司法―横浜事件再審免訴判決と仕事をしない裁判官たち』吉永満夫著、日本評論社
再審裁判における免訴判決が請求人にとって利益があると判示する意味が理解できる人はいるだろうか?おそらく銀河系でその判決文を書いた裁判官(あるいは裁判長)だけだろう。
特に横浜事件の場合、というより再審での免訴判決は横浜事件以外に知らない。
当事件では当事者は全員死去している。その死去している当人が得る利益というのは、判決文から行くと「訴訟手続きからの解放(もう刑事訴追されないという安心感)」だと言う。
当事者は死去しており、再審請求人は遺族である。
死去した人間に、さらに有罪判決を受け下獄した人間に、「訴訟手続きからの解放」があるから免訴判決は利益があるという判決文はどうして書けるのか?実に素朴な疑問である。
請求人の目的は無辜の救済だからだ。名誉の回復だからだ。
再審請求審でも再審裁判でもその無実性は争う余地がない。
なのに、どうして「免訴」なのか?
著者は免訴の基本的な説明から始め、横浜事件再審裁判における免訴判決の意味を説き起こす。それは謎解きに似ている。
そして、それを人権侵害と糾弾する。
著者は別のところだが、こう言っている。
「社会では玉石混交の人々の中から様々な選別過程を経てリーダーが登用されているのに、裁判官社会では若いときにたまたま司法試験を受かったというだけで終身裁判官として処遇される」
また、本書でも「裁判官自身が批判される手続きはない」「裁判官が一般の市民から具体的・個別的に批判される機会は全くない」と言っておりある種の制度欠陥・機能欠陥を指摘している。
裁判官に関しては、裁判官の良心(憲法76条)に対する思考の哲学性について述べている。
そして、裁判に哲学性があるか、思想性があるかという視点から評価したいと言う。
昨今多く出ている裁判官批判本とは一線を画していて、法曹一元制度の提案をしている。これは以前から私も可能性を感じていただけに強い説得力を感じた。
著者の誠実さに救われる本かもしれない。
集団的自衛権 ロードマップ4
私は閣議決定を急いだ理由として、秋の臨時国会で関連法案の改正をし、年末の日米ガイドラインの改定に間に合わせようとしたものだと思っていた。
ところが、政府・与党は7月16日に関連法案を来年1月の通常国会に提出する方針を決めた。
しかし、実際の審議は4月の統一地方選挙の後になる。
あれだけ急いだのにオカシイ?
善良な市民は?かもしれないが、政治的には「とんでもなく変」なのである。
滋賀県知事選の敗北のショックか?
確かに公明票(学会票)と自民票での負けは「びっくり」しただろう。
あるいは閣議決定のときに公明党が出した「新3要件」が想像以上に重荷になっているのか?
少なくとも来年4月の統一地方選挙での大敗は避けようと判断したのかもしれない。
もともと選挙に勝って政権を取得した選挙の得票数は、民主党に大敗した時の得票数とほとんど変わらない。選挙システムで勝っただけなので、改憲解釈による批判票が集まると大敗以上の大敗になる危険性がある。
それを回避する判断は正常だろう。
有権者とは「実に忘れやすい有機体」だからだ。
ここで、ひとつの懸念が生まれる。
関連法案が何も提案されないうちに、年末の日米ガイドライン改定が行われる場合、米国に米軍支援の「先取り」をされてしまうかもしれない。
「先取り」というのは、自衛隊の活動範囲や活動対象について先にガイドラインに盛り込まれてしまうということだ。
つまりそれに沿った関連法案を提出するという形になる。
政府としてのこちらの方が苦しいのでは?
それよりNSCか…
オーストラリアと兵器の共同開発をすると思えば、今度はイギリスとミサイルを共同開発するとのこと。実質組織はどんどん先を行く。
私は閣議決定を急いだ理由として、秋の臨時国会で関連法案の改正をし、年末の日米ガイドラインの改定に間に合わせようとしたものだと思っていた。
ところが、政府・与党は7月16日に関連法案を来年1月の通常国会に提出する方針を決めた。
しかし、実際の審議は4月の統一地方選挙の後になる。
あれだけ急いだのにオカシイ?
善良な市民は?かもしれないが、政治的には「とんでもなく変」なのである。
滋賀県知事選の敗北のショックか?
確かに公明票(学会票)と自民票での負けは「びっくり」しただろう。
あるいは閣議決定のときに公明党が出した「新3要件」が想像以上に重荷になっているのか?
少なくとも来年4月の統一地方選挙での大敗は避けようと判断したのかもしれない。
もともと選挙に勝って政権を取得した選挙の得票数は、民主党に大敗した時の得票数とほとんど変わらない。選挙システムで勝っただけなので、改憲解釈による批判票が集まると大敗以上の大敗になる危険性がある。
それを回避する判断は正常だろう。
有権者とは「実に忘れやすい有機体」だからだ。
ここで、ひとつの懸念が生まれる。
関連法案が何も提案されないうちに、年末の日米ガイドライン改定が行われる場合、米国に米軍支援の「先取り」をされてしまうかもしれない。
「先取り」というのは、自衛隊の活動範囲や活動対象について先にガイドラインに盛り込まれてしまうということだ。
つまりそれに沿った関連法案を提出するという形になる。
政府としてのこちらの方が苦しいのでは?
それよりNSCか…
オーストラリアと兵器の共同開発をすると思えば、今度はイギリスとミサイルを共同開発するとのこと。実質組織はどんどん先を行く。

