谷中、根津、日比谷、墓参り紀行
母から頼まれて谷中の墓地の様子を見に行く。
私は仏教徒ではないので、墓参りは否定している。
というより、仏教徒は墓、先祖崇拝を否定しているので墓参りの習慣はないはずだ。
ならば、どの宗教の人が日本で墓参りするのだろうか?…されは問わないことにしよう。
私がするのは墓参りではない、墓の様子を見に行くのである。
墓の敷地に樹木があって、それが根を張り墓石が傾いでいるかもしれない、と言う。母も何年も墓参りをしていないのだ。
私の記憶では高校生ぐらいのときに法事で行ったぐらいで後は行っていない。
谷中はとても大きな墓地で母から聞いた番号が見つからない。
母の記憶違いかもしれない。
そこで、谷中から白山まで歩こうと思った。
歳の瀬の東京を歩くのは楽しい。
選んで露地を歩いていると、30日であるというのに提灯に火が入っている店がある。
しかも、私の外見による判断では合格点の店だ。
私の判断は最近では6割に上がっている。
迷わず入った。
カウンターだけで8人しか入れない店で、女性が1人でやっている。
とにかく食べ物がみんな美味。
おでんの「ちくわぶ」はアルデンテ。
あこう鯛の粕漬けを食したが隣の人の「ポークソテー」がとんでもなく美味しそう。
アベックがカレーができるのを待っていた。
カレーが名物らしい。
少し前になんかのテレビに出たと言う。
だから私も店名は言えない。
とっても、優しく対応してくれる若女将がいい人。
近所の人があかちゃんを連れて年末の挨拶に来る。
いい店だ。
そこを出て、散策すると提灯に火が入っている店が何軒かある。
みんな外見がいい。
モツ焼屋をみつけ、ポッピーで煮込みを食す。
残念ながらまあまあ。
千代田線の根津から電車に乗り、大手町で乗り換える。
エスカレーターで登る私に、階段で降りる女性が激しく手を振る。
エスカレーターで上に着くと、階段で下に降りる。
その女性が下で待っていた。
近くで見て分った。
30年くらい前にある研究室で一緒だった女性だ。
聞くと彼女はまだ40代とのとこ。
しばらく立話し。
別れ際に、記念でハグしていい?と聞くといいと言われたのでギッュとハグする。
記念にキスしていい?と聞いた。
恋愛感情関係なくキスできる幸せ。
長生きするって、とてもいい。