従軍慰安婦と公娼制度
昨晩、長年付き合っている人と話していて従軍慰安婦の話になり、彼が「従軍慰安婦は公娼」だから「あの当時」では認められたというので驚いてしまった。
彼はけして右派的な人ではない。
まず、公娼制度を誤解している。
公娼は警察に届け出を必要とする鑑札業である。
基本的に全くシステムが違う。
さらに公娼制度は「マリア・ルス号事件」(これは日本が初めて関わる国際法裁判)で人身売買がまかりとおる「奴隷労働」と指摘され、公娼制度廃止にむかわざるを得なくなった。
まさか今の時代に公娼制度が「自由選択の職業」と思う人はいないだろう。
大逆事件で犠牲になった人の中には廃娼運動をやっていた人たちがいる。
また山室軍平の命がけの廃娼運動は誰でも知っているだろう。
つまり公娼制度は国家権力にとても近いシステムで、それを守る暴力装置も備わっていたのだ。
だから「従軍慰安婦は公娼」という論理は、公娼という点で間違っているし、「公娼」に対する観点でも間違っている。イデオロギーの問題ではない。
想像力を持ってほしいと思う。
あまり光が当たらないが、北海道の労務慰安婦には14歳という年齢が記録されている。
14歳の少女が自分の判断で選択し就業する職業だと思えるだろうか?
でもその人からそんな言葉を聞いたほうがはるかにショックだった。