新産業革命の陥穽
私は以前、現在はコンピューターとITを中心とした新しい産業革命が起きていて、その特徴は人不要社会だ、と言った。
ドイツの長期金利が1%を割り込んだ。
史上初である。
それは4-6月期がマイナス成長になったからである。EUで一人勝ちしていたドイツの景気後退は大方に衝撃を与えた。
これは経済成長市場主義の陥穽でもある。
かつては生産性や競争力を上げると、失業率が改善し消費動向も改善されたが、現在では違う。
浜規子氏(同志社大学)の分析はこうである。
「役立つ人だけを取り込み、そうでない人は労働市場の外に追い出される」
これは正しく新産業革命を意識した分析だと思う。
「そうでない」大多数の人は、非正規雇用という失業者であり、消費力が低いため経費回復のエンジンとはならない。
しかし企業は、人を犠牲にしグローバル化の中で稼ぐから収益が上がる。
環境基準の甘いところに工場を作り、賃金の低いところで人を雇用し、人口の多い国にマーケットを求めるのだ。
これらの企業に「本国」はないし、一国の経済成長など関心がないのだ。
コンピューターとITと金融が中心の経済では当然の成り行きだったのかもしれない。
かつては製造業中心であったから、経済成長は賃金の上昇に結びつき、雇用吸収力も大きかった。
現今の「新産業革命」下では経費回復、経済成長の恩恵を受ける人が限られるのだ。
さらに拍車をかけたのが人材派遣業の無定見な拡大と、労働者の権利の希薄さだ。
ならばどうすべきか?
製造業中心の社会に戻すか?あり得ない。
はっきり言えばいい方法がない。
それらが生むもの。
格差と荒廃だ。
秋葉原事件や黒子のバスケ事件などがすぐ頭に浮かぶ。