映画『アデル、ブルーは熱い色』
この作品で驚くのはリセの女学生の知的水準と生活水準。
会話からリセ・パスツールと言うので名門リセであることは確かだ。リセ・パスツールはNeuilly(ヌイイ)コミューンにある。
彼女たちは、煙草を吸い、アルコールを飲み、セックスをし、文学を語り、哲学を語り、デモに参加する。『マリアンヌの生涯』(ピエール・ド・マリヴォー)を読み教師を交えて討論する。つまり教科書などなく、小説を用いる。『アンティゴネ』(ソポクレス)を読み討論する。
サルトルを話題にし、実存主義について語り、アンガージュマンについて語る。
参加するデモはシテ(郊外)の植民地主義問題をテーマにしたもののようだった。
1968年の五月革命はリセの学生が中心だったことを連想する。
完全に理系と文系に分かれているからだろうし、日本のような大学受験制度がないし、大学まで学費はほとんど無料といった事情があるだろう。
実はこの知的環境が映画と無縁ではないのだ。
映画のほとんどが会話であり、思考を必要としているからだ。
原作はジュリー・マロのコミック
緻密な会話と動くカメラで3時間を退屈には感じないだろう。
主演のアデル・エグザルコプロスがアンヌ・ヴィアゼムスキーに似ていて驚く。
監督:アブテラティフ・ケシシュ
原題は LA VIE D’ADELE CHAPITRES 1 ET 2でこれは『マリアンヌの生涯』のLA VIE DE MARIANNEを連想させる。但し原作のコミックの原題は LE BLEU EST UNE COULEUR CHAUDE(青は熱い色)で、映画の邦題『アデル、ブルーは熱い色』はそれらの混合か…
