ワールドカップ後のドイツ
WC優勝はドイツにとってどんな意味があったのか?
政治は磐石、経済は好調、EUでは盟主、開催国ブラジルに二回足を運んだメルケル首相の支持率は62%だ。
ひとり勝ちと言えよう。
東欧圏ではドイツ語学習熱まで高まっているという。
WCには温度差があるという。
凱旋帰国を一般紙は大きく報道したが、高級紙は冷淡な扱いだったという。
政財界ではWC優勝への関心が急速に薄れている。企業経営者の七割がWCによる経済効果はゼロと考えているとのこと。
その凱旋帰国パレードで例の問題が起こった。
ガウチョ(ラテンアメリカの人々)はこう歩くと真似た事件だ。
フランクフルター・アルゲマイネ紙は「巨大なオウンゴール」と批判した。
このことに対する論争は色々なところに広まった。
それにはひとつ間接的な理由がある。
2006年にドイツでWCが開催されたときから、国旗を振る応援スタイルが定着した。
愛国心を表に出したり、国家のシンボルを持ち歩いたりすることがタブー視されていたから、ドイツの戦後が終わった瞬間だったのかもしれない。
しかし完全には払拭されてはいない。
「国旗を振ることで国粋主義が高まりかねない」(緑の党)との指摘もあるし、国民もそう思っている人たちが少なからずいるだろうからだ。
「ドイツ人は、ほかの民族より優れている」
フリードリヒ・エーベルト財団のアンケートではそれにヤーと答えた人が40%に達したという。
無論、ドイツ人の定義も民族の定義もしていない。
ひとり勝ちのドイツで、その40%の数字は高いのだろうか?低いのだろうか?
日本のファンが旭日旗を振ったり、ジャパニーズオンリーと掲げたりする光景と比較すると興味深いかもしれない。
またトラウマに関して考えてみるのも一興だろう。
国粋主義が高まりかねないという論調と、旭日旗を振る心境と…
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