酒場 エピソード2 吉野屋からの帰還 2006年02月23日
「ほさか」でもこんなことがあった。
あきらかに「不似合いな青年」が入ってきた。茶髪でファッショナブルで、いわゆるホストみたいな雰囲気を持っている若者だった。常連客は会話を止め静かになった。
彼はぶっきらぼうな感じで「うなどん」と注文した。
身構えていた店側は予想していたようにすぐ反応した。
「夜はご飯ものはやってないのよ。」
その青年は「え!」という感じであきらかにとまどっていた。客達は完全に沈黙し、彼の事を心配した。すると店の人がこう言った。
「店を出で右に行くと吉野屋があるから、そこでご飯だけ買っといでよ。そしたらカバ焼きのっけてあげるから」
青年は出て行った。常連客達の会話は元には戻らなかった。今の最大の関心事は彼が帰ってくるかであったからだ。私は帰ってこないだろうと思っていた。
しばらくしたら彼は吉野屋の袋を持って帰ってきた。店はそのご飯の上にカバ焼を載せた。
常連客の会話は元に戻った。
追伸
「ほさか」の紹介
自由が丘に行った時、帰りに必ず寄る店が3軒ある。
その内のひとつが「ほさか」である。
ここは鰻を串で食べさせる。くりから、かしら、ひれ、きも、とあるのだが「レバー」があるのである。(これは一人一本限定)
鰻の串で呑ませると言えば田町駅横にあった「うな勇」が懐かしい。これは店頭で立ち飲みさせる店で、軒下で2重3重になって右手でコップを持ち左で串とコップの受け皿を持つというなんとも楽しい店だった。
駅前が再開発になり横丁が消え、第一京浜を越えた所に移転した。やはり立ち呑みでいい店だった。しばらくして建て替え、今度は座れる店になった。別の店になっていた。