映画『他人の手紙』 | leraのブログ

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映画『他人の手紙』

 ポーランドは1945年から1989年まで「社会主義」時代だった。(それが社会主義だったのはどうかはわからない)
 その間通信検閲局(公安局)が年間数千万通の市民の手紙を憲法に違反し開封し検閲していた。その記録はワルシャワに残されていた。
 その内容を記録映像とともに映画にしたのが当作品である。

 映像と、手紙がかかれた年代は近いと思えた。
 開封検閲は早くも45年に行われていて、ロシア兵の暴虐などが書かれている。
 映像は解放軍(?)として来たロシア軍にポーランドの旗を掲げたりする。

 食糧難、住宅難などがつづられ、食糧の配給の行列が午前2時にはできていると書かれている。

 また通信検閲局のコメントのようなものも紹介され「不穏な表現」の指摘などもある。

 死刑判決を受けた父親を救おうと13歳の少年が首長に書いた手紙もあった。母親はすでになく、4歳下の弟とふたりきりになってしまうと書かれていた。
 彼らはどうなったのだろうと、と思わせる。

 キリスト者の弾圧や、外国(ドイツ、オーストラリアなど)への出稼ぎなどが手紙に綴られる。

 そこには時代や指導者に翻弄される市民の生の声がある。

 そして89年に突然廃止になる。

 ここには監視社会のおぞましさがある。
 ほんの小さな介入でも阻止する勇気が必要である。
 よく「悪いことをしていないのなら見せてもいいだろう」などという言辞がある。またある問題について「イエスかノーか」を迫られる場合もある。秘匿の権利や内心の自由を根拠にして抵抗していかなければならない。


他人の手紙
CUDZE LISTY
監督:マチェイ・ドルィガス