劇団ダダン2014年新歓公演『四月の魚とこぼれ星』
当団を見始めて7年目に入る。
最初に観たのは『銀河旋律』だった。メンバーも随分変わったし、メンバーの変化によって舞台も随分変わった。
夢が無意識の所産だとし、無意識界に介入できる能力を持った男性が登場する。無意識界に介入できるのだから夢に現れることができる。
メンバーたちは大学の弱小サークル「ミステリー探偵研究同好会」。
各部員たちの嗜好などが愉快に展開され、チャリ役として「文芸サークル」の男子学生が出てくる。学園ものの雰囲気。
エイプリルフールはフランスでは魚の日で、魚の形をしたパイやチョコレートを作ったり食べたりする。その日が部長の誕生日であり、サプライズパーティーを企画する。
部長に、サプライズパーティーが行われる部室に行かせるためについた嘘が惨事を引き起こしてしまう。
無意識界に介入できる男性が意識不明の部長にコンタクトを試みる。
ここはSFチックで、サイコ版ミクロの決死圏と言ったところ。
部長は生に執着を持っておらず嘘をついた部員が責任を感じることを気にかけている。そこである暗号をノートに記すことにし、それは脳内で展開される。
ここはミステリーチック。
総じて学生らしい誠意の感じる舞台だった。
舞台の作りこみも丁寧だったし、前半の明るい学生生活の描写と後半の惨事の後と照明でめりはりつけていたし、SEは音の志向性なども計算してがんばっていた。
贔屓目かもしれないが、よくできていたと思う。
難点は、無意識界に介入できるという男性の存在。
彼の存在や能力がどれだけ認知されているのかという問題と、その能力を持つにいたる経緯の説明がないこと。夢は舞台下で演じられるものの、部長の夢にはこの男性と部員も出てくるため認知度合いが混乱する。
夢と現実の論理的な構築の差異を明確にしたほうがいいだろう。
もうひとつは暗合のインパクトの弱さ。
暗合の意味が解明されたときに客の「驚き」が必要だと思う。
もうひとつは時空の変遷。
夢、現実が交差するため時制が行ったり戻ったりするのだが、文章でそれを表現するのは容易いのだが、舞台ではそう簡単ではない。観客がそこで混乱してしまうとその後のストーリー展開がもったいない。
工夫が必要と思う。
脚本・演出:林沙羅