伊福部昭生誕100年メモリアルコンサート
―土の響き、ゴジラ―
休憩の後は伊福部昭が手掛けた多くの映画音楽の紹介と演奏。
館長でもある池辺晋一郎氏と井上氏のトークが入る。ここが井上道義のファンの多いところかもしれない。実に丁寧に音楽の楽しさを教えてくれるのだ。今回も伊福部昭が用いた特殊な打楽器の説明があった。
また、映画音楽は曲ごとに編成を変えるので、それをステージでやるには編曲が大変という話も面白かった。
最初は映画音楽デビュー曲の『銀嶺の果て』
有名な映画であり、何度も観る機会があったのに観ていない作品。E.hrの実に美しいソロが胸に残る。谷口千吉監督とのモメごとのエピソードなど面白かった。
次は『大魔神』。
この編成はC.fgが2本、B.clが2本というすごいもの。これは大魔神が登場するときのあの音楽だった。重低音がシーンを彷彿とさせる。
次は『ビルマの竪琴』
実に美しい音楽で、映画(安井昌二
の方)のシーンが蘇って胸が熱くなった。
次はアニメ『わんぱく王子の大蛇退治』
このアニメを私はロードショーで映画館で観ている。とても美しく、ストーリー(スサノオ神話)も刺激的で印象に残るアニメだった。しかし音楽は全く覚えていなかった。Flの美しい前奏に導かれ、スサノオの勇壮さの表現に変わり、アメノウズメの舞曲に繋がっていく構成は十分音楽だけで楽しめるものだった。
最後は『ゴジラVSモスラ』(1992)
これには3Dプロジェクションマッピングがつくとなっていて、どんなものだろうとワクワクしていた。
場内が暗くなり、譜面台を照らすLEDだけになってから演奏が始まった。
すると背景にあるパイプオルガンと、その左右の壁を利用して3Dプロジェクションマッピングが始まった。コスモス(小美人)が出てくる、コジラが出てくる、自衛隊が出てくる、モスラが出てくる。
モスラの攻撃は右の壁から左の壁へ、ゴジラの攻撃はその逆。
中央のパイプオルガンの浮かぶランドマークタワーが壊される。
眼は釘づけ。耳も釘づけ。
とんでもなくすごい壮大な企画。これが一日限りとは信じられない…
トークが再開し、井上氏が「ゴジラも怖いが、コントロールできないオーケストラも怖い…」と言ったら、オケが指揮者なしで演奏を始めた。井上氏は慌てて式台に駆け上がり、譜面を探して指揮を始めた。
アンコールの「シンフォニア・タプカーラ」の第三楽章である。
途中手拍子を要求したり、企画が楽しいサプライズであった。
タプラーカとはアイヌ語で「(自発的に)立って踊る」という意味だと言う。
しかし、こんなにすごい3Dプロジェクションマッピングがあるなら友達にも教えたのに…