映画『天国の門』 | leraのブログ

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映画『天国の門』









 国家とは


「さまざまな社会集団のなかで国家だけが暴力を行使できる」(萱野稔人著『国家とはなにか』p.11)








 この作品に再会したのは30年ぶりである。


 私の記憶では、テアトル東京(東京都中央区銀座)の閉館が決まり、そのさよなら上映のオールナイトで観た。本来5時間半のプリントだったが、会社(ユナイテッド・アーティスト)の拒否にあい3時間39分の作品にしたものの、酷評だったためさらに2時間29分までカットされたものの、興業的には失敗し会社は売却されるというサゲまでついた。








 私が観たのは2時間29分の作品だったわけだが、ストーリーがよく分らなかった。アクションシーンばかりが目立つ西部劇という印象を持ったものの、魅かれる作品ではあった。





 今回「ノーカット」版が上映されたわけだが、これが初めてではないと記憶している。ただし今回のものは、デジタル合成で再生したものでマイケル・チミノ監督の手によってなされた。








アメリカで一番多いのは何人か?


 というジョーククイズがあるが、正解はドイツ人(ドイツ語話者)である。








 ストーリーは1980年代にワイオミング州であった「ジョンソン郡戦争」がテーマである。ヨーロッパ(主に東欧やロシア)からの移民と、大土地所有者であるWASPとの軋轢を扱ったものである。


 さらにその土地は先住民族から策略や暴力で奪ったものである。








 一言にすごい作品である。


 オープンセット、衣装、エキストラ、小道具…すごいとしかいいようがないほどだ。








 そして、素晴らしい作品である。


 3時間39分をまんじりともしなかった。無駄なコマなど全く無い、緊張を強いる作品だった。





 アメリカの持つ暴力のひとつの面であり、それが現在につながっていることですら思わせる。


 法律は力(資本)のある者にあり、暴力装置(州軍)もそこにある。








  ヨーロッパ(東欧、ロシア)言語、ヨーロッパなまりの英語、(おそらく)WASPの英語が入り乱れるがスーパーではその反映がないので、違いがわかればもっと奥の深い作品になるだろう。





Heaven’s Gate


1980-2012 アメリカ


監督・脚本 マイケル・チミノ