ヘイトスピーチ訴訟判決
今回の判決で見るべきものがあるとするなら、国際条約に言及したことだ。在特会の「行動」を
「人種差別撤廃条約が定義する人種差別に該当する」
とした。
憲法98条2項の「国際条約の遵守」規定があるにもかかわらず、日本の裁判官はなかなか国際条約に踏み込むことをしなかった。
バレンタイン事件(ナイジェリア出身の男性が新宿歌舞伎町で警察官から暴行を受けた国家賠償事件)の時に、裁判官による人種差別的な言辞があった。目撃証言者がアフリカ系男性だったことを「アフリカコミュニティーのメンバー」だから信用できないとしたのだ。無論「アフリカコミュニティー」なるものは幻想にすぎないのだが、その論理で行くと日本人同士、警察官同士の証言も信用できないものとなる。その判決では警察官による警察官有利の証言は信用できるとした。
控訴審で「人種差別撤廃条約」を主張したが、判決文には一言も触れられなかった。
今回の判示でもうひとつ見るべきものは、「人種差別撤廃条約」に適合させるめために賠償額は高額なものにならざるをえない、としたことだ。
名誉毀損事件が繰り返されるのは賠償額が少額だからだ。
今回は高額な賠償額を認定し、街宣活動の差し止めを認めたことだろう。
問題は「言論の自由」である。
私はすべての言論は守られるべきと考えるが、ヘイトスピーチは確かに聞くにたえない。かつてシンサヨクの諸君の機関紙に踊っていた「表現」を連想させる。
しかし、ヘイトスピーチの定義ができない。
まて、規定を設けると権力によって拡大解釈される虞もある。
市民的カウンターアピールが有効だと思っているし、今回はその行動はけして小さくなかった。
言論が希望であることを信じたい。