東武線北越谷の駅前広場にテントは設けられていた。鉄パイプによる骨組みで、板を渡した客席である。
どんどん入ってくる客に、客席を増設し最前列は舞台と20センチの距離。「越谷でどくんごを見る会」のサポーターの人たちもいるようだった。
五人の役者が楽器を演奏し、歌う。バンジョー、アルトサックス(後にクラリネット)、アコーディオン、エレキベース、ボックスドラムである。
布に描かれた背景画が多数ありカーテンのように頻繁に変わっていくが、それを使わないと「背景」は西口駅前で、バスを待つ人や、駅を出て家路に急ぐ人、ベンチに座って談笑する人たちがいる。役者がその中に入っていく、見えなくなるほど遠くへ行く。照明がかなり追う。そして、背景画が引かれるとそれは幕の効果がある。
寺山修司の街頭劇を連想する。但しこの場合は観客が街に出て「芝居」を探すのだ。
『君の名は』はもちろん『君の名は』(菊田かずお)のパロディーであるが、「君」を問うこと、そして「君」は「君」なのだと言うことに意味を見出そうとする。
本火あり、本水あり、(おそらく)アドリブの応酬あり、とテント芝居の熱気の中での熱演。そして五人の役者の芸達者ぶりに圧倒され、ぐいぐいと「どくんごワールド」に迷入してしまう。
サボーターの人たちの出演あり、11月にここでテントを張る劇団のパフォーマンスあり、と雑多で隠微で崇高な舞台。
芝居の原点を見たような気になった。
旅から旅へ小屋(テント)掛けし芝居をやっていく。
ある意味憧れの世界である。
もし私がいなくなったら、テントの設営を手伝っているかもしれない…
2013.7.3/4
出演:暗黒健太、五月うか、2B、石田みや(第七インターチェンジ)、どいの、他
構成・演出:どいの
美術・衣装・人形:五月
木工: 健太
11月まで日本全国を巡業。9月6-15日に東京公演あり。

