魔の刻と魔の刻
降旗靖男監督の『魔の刻』を観た時、あまりにストーリーが日活ロマンポルノ的だと思った。これは脚本が田中陽造だと知っていたための先入観かもしれない。
息子を追って港町までやってきた母、息子には恋人がいる、女問題で刺される、別の殺人容疑…と、本当にロマンポルノ的なのだ。
私はロマンポルノ、あるいは田中陽造の脚本を批判する気は全く無い。
この作品は岩下志麻が原作に惚れ込んで映画化したと言われている。その原作(北泉優子著、新潮社)を読んでみた。やはり映画と全く違っていた。
映画は、原作の終わったところ、しかも何年かたってからのように思える。早い話、原作は全然違う作品なのだ。
疑問は、「原作に惚れ込んだ」という岩下志麻だ。「原作のプロットを巧みに取り入れた田中陽造の脚本」に惚れ込んで、というのなら分かる。