映画『おんなの渦と淵と流れ』 | leraのブログ

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映画『おんなの渦と淵と流れ』

 中平康の1964年の作品。谷崎潤一郎の原作を吉田喜重が撮ったような作品。(原作は湊葉英治)

 大連で写真結婚した英文学者と満鉄幹部のひとり娘。この女性が戦後の混乱の中で小料理屋をやり他の男性と不倫し、そこから金沢、東京と流れる。中谷昇が押入れから妻の情事を窃視するシーンがピーク。真野順子が汚れ役で出ているのが収穫。

 英文学者は長い時間かけてシェークスピアを翻訳しているが、『トロイラスとクレシダ』のクレシダと妻を重ね合わせる。妻は妻で女学校の時に居寓していた青山の中国研究者の叔父に性暴力を受けていたという設定。

 中平康のスタリイッシュさは見られない。カメラワークも見るものがない。

 『夏の嵐』56年、『あいつと私』が61年、それを思うと寂しい。