劇団ダダン2012年度本公演
まじめがいちばん
コメディー(喜劇)は難しい。
怒りや、悲しみは標準化されやすく普遍化されやすいが、笑いは個別化しやすいからだ。そして笑いの裏には必ずある種の一所懸命さがあるからだ。また、漫才のようにギャグやアクションを用いる訳にもいかず、純粋にストーリーで笑いを誘わねばならない。る意味落語に似ている。
今回のオスカー・ワイルドの「まじめがいちばん」は翻訳から始めるという力の入れようだったが、予想以上にスタイリッシュだった。セリフを重ねることによって登場人物とその関係性を構成してゆく道程もスムーズだった。また役者のキャラクターが立っていて、配役と調和していた。これも理解の助けになった。
難を言うとジャックの登場が一般の若者にしか見えなかったところ。衣装というより存在を示す重厚さが欲しかった。
洗礼名について、あるいは二度洗礼を受ける重大さについて執事のレインの「解説」があってもよかった。
グウェンドレンを演じた清水美江は声の質を変えるなど器用なところを見せた。
140分近い大作だったが長さを感じなかった。丁寧な前段階の作りがそう感じさせたのかもしれない。
2012.10.14