アイヌ政策推進会議 | leraのブログ

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アイヌ政策推進会議

 2007年に国連は「先住民族の権利に関する国連宣言」を採択した。
 これは、「先住民族の10年」を設け、さらにそれを10年延長した難産の結果だった。
 この宣言は前文24段、本文46条からなる条約や法律の体裁を整えたものだった。そしてかなり踏み込んだものだと言えた。
 「自決の権利を有する」(3条)
 「平和的生存権」(7条)
 「強制同化は人権侵害」(8条)
 「伝統文化や財産の原状回復」(11条)
 「独自言語での教育制度」(14条)
 「先住民族固有の意思決定制度」(18条)
 「先住民族の土地・領域での軍事行動の制限」(30条)
 「国境に分断された先住民族の越境権」(36条)
 等々見るべきものは多い。

 その宣言を受けて2008年6月6日に「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が国会で採択され、アイヌ民族は「日本」の中で初めて先住民族と「なった」のである。

 その後、2008年に「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」を政府が企画し1年をかけて報告書を提出した。そして2010年1月から「効果的なアイヌ政策を推進するため」に「アイヌ政策推進会議」が開かれた。
 その報告書が6月末に出された。

 この推進会議は、国連宣言の即した国内法整備を視野に入れた会議であった。
 全体会議3回、作業部会22回が開かれた。座長は官房長官であり、政府としても「力(?)」が入っていたものである。

 出てきた報告書は2通。
「民族共生の象徴となる空間」作業部会報告書と「北海道外アイヌの生活実態調査」作業部会である。
 はなはだ乱暴な注釈をつけるとするなら、「ハコもの観光施設」と「アンケート」の2本にすぎなかった。しかも「アンケート」はたったの153世帯が母数である。

 国際機関で少数者の権利が宣言され、それを中核として少数者が国家・政府の中に「与えられた政策」をエンジンとして取り込まれていく実態を目の当たりにした感がある。

 声を大にしなければならない時に「今、国・政府が政策を考案中だから」という言葉で声を抑えられたツケが回ってきたと思う。

 「国連宣言を参照しながら」と言うが、宣言と会議の関連性が全く見えない。なにもすぐに、国連宣言にある自決権や土地権をうたえとは言わない。生活基盤整備や年金問題、それらについて触れてもバチは当たらないと思う。

 象徴空間でも、なにかというと「文化」である。「さりげなく文化に親しむ公園機能」…もう「文化」のステージではないはずだ。

 ただ「希望」もある。
 この会議は続くのだと言う。「希望」のかっこがとれるか、どうか…