映画 山川菊栄の思想と活動「姉妹よ、まずかく疑うことを習え」 | leraのブログ

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山川菊栄は戦前の婦人運動活動家。

 夫・均は「平民新聞」に参画し大杉栄と同様「赤旗事件」で入獄し、そこで「大逆事件」を知る。日本共産党の創立に参加、後に離党した労農派の中心的論客である。



 墨田区横川の女工を取材し、その疲弊に驚くが、救世軍士官の「働く者は救われる」という言葉にショックを受け、婦人問題、労働問題に入っていく。ベーベルの「婦人論」の翻訳でかなり感化を受けたと思われる。



 伊藤野枝が『青鞜』で婦人矯風会の廃娼運動を批判したことに、菊栄は「封建時代そのままの遊廓制度、公然の人身売買、業者の搾取」を見ず、「これを国家公認の制度として維持することは許すべきではない」と論争する。

 そして「売春」は男性の生理に問題があるのではなく、資本主義の問題であり、階級的問題であり、妻となるのも娼婦となるのも紙一重と喝破した。



 大杉栄には「天才的社交家」と批判したものの終生家族ぐるみで付き合う。



 与謝野晶子と平塚らいてふの「母性保護論争」については、与謝野の「自由主義一本槍で、国家の保護を屈辱」とする考えにも、平塚の「職業と育児は両立し難い、国家の保護を」とする考えにも反対し、「職業による経済的自立の機会を保障すると同時に、社会保障制度によって母子の生活を守ることは社会の任務であり、婦人はどちらも同時に要求」すべきと批判した。



 最も鋭い批判眼を持った優れた思想家だと思う。もっともっと読まれていいと思うし、接してほしいと思う。



 映画については監督も言っているようにインタビューが中心になってしまい、やや「疲れる」作品である。ただ山川菊栄の資料は写真と文章しかないため、再現映像などを用いるには予算的問題もあったと思うが、映画としての存在価値は大きいと思う。



企画:山川菊栄記念会

製作:ワーク・イン<女たちの歴史プロジェクト>

構成・監督:山上千恵子

エンディングソング:アン・ヘギョン "I'll Never Return"