11月4日発売の週刊文春にジャニーズ事務所の嵐というグループの何人かのメンバーが自死した女優と交際していたという記事が掲載された。
その記事の反響をたいへん興味を持って追跡した。なぜなら「後追い」するには勇気が必要だからだ。
あれだけ芸能人のゴシップが好きな昼のテレビのバラエティでは、とうとう一言も触れなかった。週刊誌の中吊り広告を「報道」するチャンネルも触れなかった。ほとんどのメディアが触れていないようだ。
問題になっているのは、インターネットと韓国メディアである。特に韓国では大事件になっている。
なぜ私が興味を持って追跡したか…表現の自由に関わる重大事だからだ。
そのグループが所属する事務所はたいへん力を持っていることで有名である。また、広告代理店とグループ化し絶大な「権力」を持っている。
アメリカ合州国には「反スラップ法」(Strategic Lawsuit Against Public Patticipation)という法律がある。これは簡単に言うと「市民の公的意見表明の妨害を狙って提訴される民事訴訟」のことである。
例えば、環境問題で運動している住民運動のメンバーに対し企業が多額の民事訴訟を提訴し「運動つぶし」をすることである。「口封じ訴訟」とも言われる。
日本では「オリコン」が鵜賀陽氏を訴えたものがある。
「オリコンのヒットチャートはジャニーズに甘い順序をつけている」という氏が取材に答えた「意見」に対し、「オリコン」が出版社ではなく、編集部ではなく、記事を書いた記者ではなく、取材に答えた氏だけを相手に5000万円の名誉棄損訴訟を起こした。
無論訴訟は「オリコン」の敗訴で終わるのだが、その間の被告の苦労は筆舌に絶えないほどだ。
裁判の勝ち負けではなく、「オリコン」は勝ったことになる。今後周辺メディアは訴えられるだけが怖くて萎縮するからだ。
斉藤貴男氏もキャノン初代社長が731部隊に関係あるという記事を週刊現代に書いた時に、1億円の訴訟を起こされた。無論内容は事実であるので、斉藤氏が勝利したのだが、その新聞報道は一切されなかった。
経団連会長だったトヨタの奥田氏は、批判的なマスコミに「スポンサードを引き上げる」と恫喝したし、同会長だったキャノン社長の御手洗氏は、朝日新聞が同社の「偽装請負」をスクープした時、広告が止めた。
本来労働について模範的に立場をとらねばならない企業人であるはずだ。
「反スラップ法」のない日本では、報道の自由も、言論の自由も無い、ということを今回の「嵐喰い」事件は証明したことになる。
現在、残念なことに「運動つぶし訴訟」「口封じ訴訟」は頻繁に起きている。
銀行の内部通報者、マンション建設反対運動、労働組合結成、環境保護運動等々。私もこの文章で訴えられ
るかもしれない。
さわらぬジャニーズにたたりなし
追伸 週刊文春の報道については内容を読んでいないので分からない。