死刑のファド
8月29日に清瀬市で、学生さんと意見交換する市民イベントがありその手伝いを頼まれた。
行ってみると、中学生からお年寄りまで集まっていたのだが、珍しく大学生が多いので驚いていたらボランティアの学生だと言う。
最初に前段階で、インターネット社会の問題や歴史認識の問題の講演があり、休憩の後に「分化会」がありチューターとして何か担当してくれと言われ一方的に「死刑制度」の担当にされてしまった。
分化会と言っても、同じ会場の隅々に椅子を持って散らばるというもの。
「言論の自由」「薬物依存」など逆にこちらが参加したい分化会があったが、死刑制度分化会には多くの人が寄って来て驚いた。
チューターとして、討論の材料をいくつか出そうと思い、まず死刑に対し賛成か反対か尋たずねると、なんと反対が過半数で世論とは違っていた。ま、そういった集まりに来る人たちだからなのかもしれない。
フジサンケイグループの「世論」調査では存置派(これは賛成派を示すギョーカイ用語)は80パーセントを越え、TBSの調査では58パーセントである。これらは「死刑は必要」「死刑はどちらかというと必要」「死刑もやむをえない」などのきき方が全て「賛成」に分類されるためである。
死刑存置派の人たちに賛成理由を聞くと、「被害者感情」「応報」という理由があがった。
そして、どんな犯罪をイメージしているか聞いてみた。すると「通り魔犯罪」のような「絶対的な被害者と絶対的な加害者」を想定していることがわかった。
まず、死刑は殺人だけではないことを示すために、小六法の刑法を拾っていった。全部拾えていないと思うが、約13個の罪状がある。また、刑法以外に「爆取」「決闘」「航空」など6個を拾った。
また、人が死ななかったとしても法律的には「殺人未遂も中止未遂でなければ被害者が無傷であっても死刑がありうる」ことを話す。
殺人事件は年間1000件ほど起きるが、そのほとんどの場合被害者と加害者は親族、友人、知人であり「絶対的な被害者と絶対的な加害者」の場合は稀なケースであることを確認する。
他に「法律で決まっているから」という意見もあったので、尊属殺のケースを説明し時代や環境でどんどん変わることを示す。
次に執行の方法をたずねてみると、驚くことに正確に知っていた人はごくわずか。扼殺や首つりという近い答えはあったが…
映画の影響か「電気」と言う人もいた。現在アメリカでも電気を使うところはほとんどない。
死刑存置と廃止の間の意見として、死刑適用刑の削減、終身刑導入、モラトリアムなどがあることを話す。
チューターとして討論の材料を提供するはずが、死刑の基礎的な質問ばかり続き討論まで発展できなかった。冤罪の話などできなかったし、再審制度がある中での「有罪」とはなんなのか?、上訴権問題も論議できなかった。
最後に私より年上の人の質問「どういう順番で執行されるのか?」
「私にもわかりません。どこかの誰かが決めているようです」
世論調査の80パーセントを越える死刑賛成はファド…
イベント終了後中華料理をごちそうしてくれると言う。
ラーメン屋かなにかかなと思っていたら、ちゃんとした中華料理屋でしかもとても美味。私は呑む方だから点心中心だったが、冷製ナス、鉄板餃子、春巻き、どれも驚くくらい美味。
同心居(とんしんじゅ)というお店。