9月に自殺された宝塚歌劇団の生徒さんのご遺族代理人が事実公表と謝罪を求めて会見をしたそうです。心が痛み、身につまされます。


 週刊文春をはじめとした週刊誌などで様々に報じられてきた華やかな宝塚歌劇団の闇の部分ですが、ご遺族のコメントで白日の下に晒されたように思います。


 私の長女も宝塚サバイバーのひとりといえます。音楽学校は受かりませんでしたが、大学卒業後、スタッフとして宝塚に就職することができました。


 私自身は小学生の頃に初めてテレビで宝塚を観て以来、時期によって濃度の差はありますがずっと宝塚ファンでした。


 娘3人を物心つく前から洗脳し、皆宝塚好きに育て、長女が宝塚舞台に就職したときには「我が人生に悔いなし」と感じたものです。


 観劇がてら娘のアパートに遊びに行ったとき、宝塚大劇場の通用口で娘の出待ちをしたことがありました。


 お目当ての生徒さんを待ち、整列して立ったり座ったりしているファンの皆さんの傍らで、ワクワクしながら娘が退勤するのを待っていました。とても幸せでした。


 東京公演で上京する度に痩せ細り青白くなっていく長女から職場の実情を聞かされ心配はしていましたが、ついに本人が「やめてもいいかな」と言い出したとき、本当に申し訳ないことをしてしまったと悔やみました。私があまりにも喜んでいたために、我慢をさせていたのでしょう。


 今思えば早くにギブアップしてくれて良かったと思います。転職をしていい会社にも巡り合い、今は結婚をして楽しそうに暮らしている長女の姿を見ていると痛切にそう思います。


 長女が退職してからは宝塚を観に行っていません。今でも好きですし、たまに昔のDVDを観たりはするのですが、以前のようには楽しめない気がしています。


 宝塚は劇場で観劇している3時間、本当に夢の世界にいるようです。でも宝塚歌劇団が体質を変えない限り、それは見せかけだけの、ハリボテのような世界でしかありません。


 生徒さんの自殺は起きてはならない悲しい事件でしたが、どうか歌劇団も在籍している生徒さんもOGもファンの皆さんも、ここで一度夢から覚めてほしいと思います。


 いつかまた、宝塚を心から楽しめる日が来ることを祈っています。