近所ではこんなにどんぐりが実をつけているのに東北や北関東の山では不作らしく、熊の被害が過去最大とまで言われていますね。


 そういえば湯涌温泉の小学生たちも皆ランドセルに熊よけ鈴をぶら下げていました。


 どんぐりと呼ばれる木の実類は豊作と不作を繰り返すと言われますが、昨年に続き今年も不作となると今後が気になります。


 昨年まで職場にあった、おそらくコナラと思われる木には毎年大量のどんぐりがなっていました。11年間で不作だったことはないように思います。木の下に自転車置き場があり、その屋根にどんぐりが落ちるパラパラという音が秋の風物詩的な感じでした。たまに自転車のカゴにどんぐりが入っていたこともありました。


 平地に比べて自然状況の厳しい山地のほうがどんぐりの豊作不作がはっきりしているようですが、どんぐりの不作にはニホンミツバチの減少が影響している可能性もあります。


 在来種であるニホンミツバチは古来から野山の木の受粉に役立ってきました。セイヨウミツバチは主に草花から蜜を集めますが、ニホンミツバチは木の花から集めるそうです。どんぐりのなる木にはコナラのような風媒のものとシイノキのような虫媒のものがあります。


 ニホンミツバチ減少は寄生虫の被害が大きいそうですが、他にも森林の減少、長雨と温暖化、農薬といった人間の経済活動に起因するものが考えられています。 


 森林の減少はすなわちどんぐりのなる木々の減少であり、熊の生息地の減少にもつながります。熊と人間の生活が近接してきているのです。


 結局は経済の名の下に自然を侵蝕し勝手気ままをしている人間がこの状況を生み出しているわけです。山の近くに住み、都会人よりずっと自然に即した生活をしている人々が熊の被害に合ってしまうのはなんだか申し訳ない気持ちになります。


 人間が侵蝕してはならない場所に入り込むことで新しい感染症も発生します。このままの社会が続けば近い将来、熊もミツバチも人間も絶滅してしまうかもしれません。