昨日新聞で、私と同年代の女性が親の介護疲れから自殺したという記事を読みました。


 認知症の母親と二人暮らし、仕事をしながら自宅介護をしていたそうです。訪問看護や介護者支援NPOとつながりながらも自死を選ぶほどに追いつめられたのは、きっと真面目で親思いの優しい方だったからなのでしょう。


 私は介護をした経験がありません。父は早くに亡くなり、離れて暮らしていた母は90歳まで認知症にはならずに逝きました。高齢者特有の怪我や病気はあったので同居していた独身の姉は大変だったと思いますが、言いたいことを言い合いながらケンカしいしい楽しそうに暮らしていました。


 先のことはわかりませんが、何十年後、もしくは数年後、自分が寝たきりになったり認知症になったりしたらどうなるか、不安になります。


 普段から娘たちには親のことより自分の生活を大切にしなさいと言っていますが、いざそうなった時にも同じことが言えるでしょうか?


 誰しも好んで病気になるわけではありません。またどんなに健康に留意していても病気になってしまうことはあります。


 経済的に余裕があれば介護施設に入るのが良いと思いますが、施設でのトラブルもよく耳にします。仕事の大変さの割に給与が少なかったり人員不足でゆとりを持てなかったりしている職員が多いのでしょう。


 介護する人、介護される人、施設や病院で働く人、すべてが尊厳を持って生活できる方法はないものでしょうか?


 少子化対策とともに介護の問題は日本の大きな課題です。実はすでにかなりの軍事大国である日本ですから、国は防衛費を増やすよりは福祉と教育にお金を使ってもらいたいと常々思っています。


 もちろんお金があれば解決することではないかもしれませんが、無いよりはマシでしょう。


 せめて親の介護で子どもが自殺するようなことのない国にしなければなりません。