原作は、ヤマシタトモコの人気コミック「違国日記」
累計発行部数は180万部を突破。
誰もが感じている「生きづらさ」を優しくすくい上げる物語は、「人生の本棚に入った」などと絶大な支持を集め、マンガ大賞の4位に入る。
主人公の高代槙生を演じるのは、「正欲」でも新境地を開き、今や国民的俳優となった新垣結衣。
誠実で正義感が強いからこそ、周囲とぶつかってしまう不器用な小説家を、見事に演じている。
そして、主人公の槙生の親友な醍醐奈々を、夏帆が熱演している。
両親を突然亡くし、たらい回しにされている姉の子である朝を、勢いで引き取ってしまった槙生。
ほとんど、お互いのことを知らない35歳の叔母と15歳の姪の物語。
性格も、それまでの育った環境も違う2人が、それぞれがまっすぐ向き合おうとして、日々を重ねていく。
相手を否定せず尊重し、寄り添い合う。
優しい距離感が、心に秘めた悲しみや怒りを解き放していく。
そして…、かけがえのない存在へと…。
観終わった後の余韻は、後味がとても良かった映画であった。
驚くほどの悲しみを埋めていくのは、やはりそばにいる人の愛情なのだろう。
そんな、当たり前のことだけど、教条的ではなく、静かに再認識できる映画だった。
是非、ご覧いただきたい。
ムービーオンで、上映中です。