還暦を過ぎてからは、それまでの、日帰りでの人間ドックを一泊2日に変えた。


胃カメラ、大腸検査、肺のCT、心電図、内臓のエコーなど、時間をかけて検査をしていただく。


結構、ドックセンターの室内で過ごす時間があるので、何冊か本を持っていく。


体の検査はもちろんだが、このタイミングで、少し仕事から離れて、普段はなかなかできない読書によって、心の洗濯をしたいと思う。




映画「PERFECT DAYS」の中で、役所広司さん演じる平山が、古本屋の棚で見つけた一冊の本。


一人暮らしのアパートで、夜、枕元の小さな電灯をつけて読んでいた。


映画を観た後、映画に出てくる3冊の中、2冊を入手できた。


幸田文の「木」

幸田露伴を父に持つ彼女。

樹木を愛でるは心の養い…という露伴の思いに影響を受ける。


文章も、言葉使いも、ちょっと難しめ。

でも、視点の深さは、未知の領域だった。


ちなみに、美しい栞は、昨年のYMFの後に、松田美由紀さんからいただいたもの。

愛用している。




4月17日(火)は、朝から雨が降っていた。


しかし、昼前には、青空が見えた。

春の穏やかな季節。




1日目の午前の検査を終えて、昼食は部屋での弁当となる。


昨年とほぼ変わらないが、肺のCTや胃カメラ、そしてエコーなど、前半の検査のヤマを超えての昼食だけに、より美味しく感じる。




夜は、かなり時間がある。


午後5時は、明日の大腸検査の為に、繊維質がない献立とのことで、うどんである。


その後は午後8時までは飲食自由なのだが、飲み物やスタバから買ったものなどを、遠慮がちに食べる。




午後11時前に就寝し、午前4時30分に起床。

外は、まだ暗い。


こんなに早く寝るのは、たぶんドックの日くらいであろう。




午前4時30分に起床。


午前5時から、大腸検査の為のニフレツク清浄剤2リットルを、2時間で飲み干すのだ。


これが、ハードである。

その間、トイレに駆け込むのも数回。




今回の滞在中に、ドクターヘリを見たのは2回である。

かなり頻繁に使われているのだ。




改めて、「オーバーフォール(Overhaul)」の意味を調べた。

老朽化した機械を部品ごとに分解し、点検、清掃、修理、交換、再組み立てを行う予防保全の手法のこと。


人間ドックでの、各部位ごとの検査と同じである。


人間の体は、交換することはできないが、大切に使うことはできるはず。




大腸検査も終わり、この日の段階では、昨年と同じであり、大きな問題はなかった。


帰りに1階のスターバックスで「メロンフラペチーノ」を見つけて、購入してしまった。


「5キロ痩せなさい!」と言われたが、今日は、2日ドックのご褒美として多めに見てもらおう。


明日からは、5キロ減に向かって、まずは、夜中の間食は控えたい。


そして、週に2回は、スポーツジムで、汗を流そうと思うのであった。