久しぶりに心象風景が果てしなく続いていく感覚を覚えた。


映画「屋根裏のラジャー」は、鬼才・百瀬義行監督の渾身の作品である。


スタジオジブリで多岐にわたり活躍し、「火垂るの墓」「かぐや姫の物語」などの高畑勲作品の全作品を手がけ、高畑監督から「自分の片腕から抜け出して両腕の存在」と言わしめた。




現実と想像が交錯する世界で起こる、人間には見えない大冒険が始まる。




自分にしか見えないイマジナリーの存在。


その名は、ラジャー。


二人は誓いを立てる。


消えないこと、守ること、ぜったい泣かないこと。




想像の世界から生まれたイマジナリーフレンドの視点語られる本作。


原作は、イギリスの詩人で作家のA・Fハロルドの「The Imaginary(ぼくが消えないうちに)」


スタジオポノックとしては、長編第1作の「メアリと魔女の花」に続く第2作目となる。




今から30年前、スタジオジブリの宮崎駿さんや、高畑勲さんの作品と出会った時の喜びが、戻ってきた感じがした。


難しくなく、考えるべきものでもなく、ただただ、子どもの頃の不思議な体験や出来事の裏にある、夢溢れるストーリーと出会った感じがするのである。


それこそが、ジブリの凄さであり、存在理由だと思っている。


その正当な後継者と出会った気持ちになったのは、自分だけであろうか。


是非、多くの皆さんに観てもらいたい作品である。


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