11月19日(日)のベルテックス静岡戦の2日目。


前日の試合の自滅的とも言える敗戦、ジェームズ・ベル選手の出場停止など、モヤモヤ感に包まれたパスラボ山形ワイヴァンズ。


ベル選手の次試合の出場停止の連絡がリーグからクラブに入ったのは、午後11時過ぎであった。


すぐ、佐藤洋一GMからミーティングをしていた石川HCと鳥屋尾ACへ連絡。

時を同じくして、自分やフロントスタッフへその情報は共有された。


この日の試合すらバラバラ感があったのに、エースのジェームズ・ベル選手を欠いて、明日はどんな戦いをするのか、正直、困惑したのであった。


リーグから指摘されたベルのプレーを、何度も繰り返しチェックをしたのである。


そんなことも踏まえて、石川HCとは、原理原則の話をし、「シュートを決め切る力、ディフェンスの強化、可能性の追及」など、さらには「冷静なゲーム運び」等を確認しあったのである。




そして、始まった山形ワイヴァンズとベルテックス静岡の試合。


結果は、延長戦にもつれ込んだ試合を、94対92で、山形ワイヴァンズが前日のリベンジを果たしたのである。




この日は、昼の時間帯で同会場で開催された、Wリーグのトヨタ自動車アンテロープスの大神雄子HCが、山形ワイヴァンズの応援に駆けつけてくれる。


大神雄子HCは、山形市出身であり、この日のWリーグの東京羽田ビッキーズとの公式戦は、山形県のバスケット協会が中心となって主催した。


開幕12連勝の大神雄子HCが紹介されると、会場は割れんばかりの拍手。


今年、彼女は、国際バスケット連盟(FIBA)の殿堂入りという快挙を果たす。




会場には、前日の約1500人を超える1900人の方々から、ご来場いただいた。


バスケットLIVEで応援いただいている方々も含めて、感謝申し上げたい。




コートサイドには、ヘッドコーチ経験者が顔を揃える。


右から、大神雄子トヨタ自動車アンテロープスHC、大神訓章山形大学HC、細谷尚寿山形南高校HC、木林稚栄山形銀行ライヤーズHCと、見事な4ショットである。




勝利を誓ったアンセムの後、4人のHCの皆さんからは、試合を一緒に観戦いただく。




この日のワイヴァンズの選手たちは、前日とはまるで違った。


石川HCの気迫が伝播し、各選手が第1クォーターからアクセル全開で始まったのである。


ところどころで、前日と同じようなターンオーバーやパスミスなどにより、また自滅しそうになったが、ここが昨日とは違って、「何とかしなければ!」「自分が決める!」と、プロの選手として、意地を見せた選手が多かったのだ。


しかし、第4クォーターの最後の場面で、ディフェンスの乱れから、せっかく取ったリバウンドが繋がらなかったり、相手選手にパスしたりと、大崩れしたのである。



そんな試合の結末は、第4クォーターまでで、85対85の同点。


5分間のオーバータイム(延長戦)に入った。




オーバータイムに入ってからは、ワイヴァンズの選手たちも、体力的には限界なところをよく踏ん張ってくれたのである。


そして、白戸大聖選手やマイケル・フィンケ選手の3ポイントシュートなどで、勝利を手繰り寄せたのであった。




接戦を、2点差でギリギリ逃げ切ったワイヴァンズの勝利。


正直、胸を撫で下ろした。




フィンキのヒーローインタビューの隣では、ジミーのNo.3のユニフォームを持つ通訳の阿部魁人。




多くの皆様の応援に、心より感謝と御礼を申し上げる。




以前、山形ワイヴァンズにいたケニー・ローソンJr.や加納誠也選手が挨拶に来てくれて、話す機会を持ててとても良かったと思う。


加納誠也選手は山形ワイヴァンズの元キャプテン。

前日のジミーの接触について、「痛くさせて申し訳なかったね」と言うと、「全然大丈夫です!」と笑顔で返してくれた。


2人の更なる活躍を期待したい。




そして、今回、故郷に錦を飾った大神雄子さん。


自分の隣で試合を観戦しながら、白戸大聖選手の攻撃力に期待し、まだ20歳の岡島和真選手のプレーに感嘆していた。


それが、自分は、とっても嬉しかった。


大神雄子の指導者としての物語は始まったばかりである。


更なる活躍を、心より、お祈り申し上げる。