春から夏にかけて、山形県の月山で採れる「月山筍」は、なかなか手に入れることが難しい珍重されている筍である。

山形には、笹筍が多く自生しているが、月山筍は雪が溶けてから急成長する為、太くて、柔らかく、コクがある。

キメの細かい歯ざわりがとても小気味良く、かみ締めるほどにどんどん旨みが増してくるのだ。




毎年この時期になると、西川町に住む、山形南高校時代の応援団の親友が電話をよこしてくれる。


「月山筍いるか?

今、山に入っている人が採ってくるから、すぐ届けるから!」


山に入っている人…山の地理に詳しく、山菜やキノコの生息を知っている専門家」のことらしい。




筍が好き過ぎる妻は、筍の炊き込みご飯を作る。


つや姫に餅米を少々、椎茸や油揚げを刻み混ぜる。




筍の醤油漬け。




そして、相性が良い豚肉と豆腐の味噌汁。

定番である。


昔は、リーゼントをして短ランが似合う、ビーバップハイスクールの加藤ヒロシの様なタイプで、喧嘩っ早く、とてもモテていた。


そもそも、応援団に所属している人達は、とにかく熱い。

良く言えば、情熱的な男気がある人。

もう一つの特徴は、情けが深いのである。


あれから、45年が経つ。

大学時代の4年間、東京でも遊んだ。

山形に戻って来ると、同じ頃に結婚し、子どもができる。

彼は、父の後を継ぎ地元で経営者となる。


あっという間に、お互いが還暦を過ぎたが、会えば青春時代に戻るのである。


そんな彼との思い出を、家族に話しながら、炊き込みご飯を食べるのであった。