別れの6月。


山形ワイヴァンズを離れる選手たちが、挨拶に来てくれた。


眞庭城聖選手、村上駿斗選手、田原隆徳選手。

昨シーズンまで、山形ワイヴァンズを複数年にわたって牽引してくれた主力選手たちである。


けして喧嘩別れでもなく、揉めた訳でもなく、それぞれが自分の道を選んだ結果である。


プロスポーツ界とはこういうものだと、10年もクラブの社長をして理解しているつもりだが、やはり一抹の寂しさはある。




英語ができる眞庭城聖選手は、ライコビッチHCと選手の間を取り持ってくれていた、頼れる存在であった。


フロントとライコビッチHCと眞庭とで、シーズン中も何度か真剣に話し合ったことが、最後までチームが一つにまとまっていた要因だと思っている。




山形出身の村上駿斗選手は、故郷のクラブを強くしたいと2シーズン頑張ってくれた。


今季は得点力が上がり、更なる高みを目指してチャレンジする。




田原隆徳選手も、村上選手同様に、新たなチャレンジに旅立つ。


いつも気合い漲る姿で、試合に臨んでいた。




これまでも、多くの選手が山形ワイヴァンズの紫のユニフォームを着て戦ってくれた。


そして、シーズンが終わり、また、旅立って行く。


感謝と共に、彼らの背中にエールを送りたい。




先日、河野誠治選手から電話があった。


「今シーズンで、現役を引退することにしました。これからは、愛媛の子ども達に、バスケットボールを教えていきたいと思います!

山形は第二の故郷です。これまでいろいろありがとうございました。」


様々な葛藤はあっただろうが、大人として、バスケットボールを愛する人として、この決断に至ったのだろう。




目まぐるしく動く、クラブと選手たち。


そんな中でも、彼らに必ず言ってきた言葉がある。


「この広い世界の中で、同じ時間、同じ空間で出会うことすら奇跡。

皆がら選手として一緒にいるのは、人生の中でのたった1年か2年かもしれない。

しかし、それがどれほど尊いものなのかを、しっかり感じて心に刻んでほしい。」と。


一期一会。

その繋がりの深さや厚さが、その人生を太らせる。



挨拶に来た彼らに伝えたこと。


「何か困ったことがあったら、いつでも連絡をよこしてください。

君たちは、ワイヴァンズファミリーなのだから。」


彼らが、それぞれの新たなフィールドで、活躍することを、心から願っている。



そして、来月は出会いの季節。

山形ワイヴァンズには、新たな戦士たちが集まってくるのだ。