パスラボ山形ワイヴァンズの創設時の選手であり、その後もアシスタントコーチとしてチームに貢献、尽力いただいた石川裕一氏。


今回、3年間チームを牽引してくれたミオドラグ・ライコビッチHCの後を引き継ぎ、山形ワイヴァンズを率いる。




自分はこれまで、リモートで数回、リアルで2回お会いし、根本的なコンセプトやフィロソフィーについてのミーティングを行う。


山形ワイヴァンズのHCに決まってからは、宮田英治常務兼強化部長、佐藤洋一GM、徳竹大地GM代行とは、ほぼ毎日、チーム編成についてミーティングを行っている。


石川裕一HCのプロキャリアのスタートが、パスラボ山形ワイヴァンズなだけに、予想通り、山形愛やチーム愛、パスラボのフィロソフィーなどは、同じ文化を色濃く持っており、とても嬉しく感じた。


自分たちが、彼を採用するにあたって、最も高く評価したのは、2021-22シーズンでの香川ファイブアローズの勝ちっぷりであった。


勝率は6割6分6厘を上げ、見事にB2西地区で優勝を果たしたのである。

(前季は、様々な多くのトラブルに見舞われ、残念ながらB3降格となってしまった)




Bリーグが開幕した2016-17シーズン、開幕直前に、棟方公寿HCより「石川裕一選手が現役を引退しコーチ業に移行させる」との申し出があった。


突然の話だったので、フロントも大騒ぎとなり、棟方公寿HCの今シーズンに向かう戦略をお聞きし、石川裕一選手の本音も聞き、最終的に引退を受け入れたのである。


2016年10月6日に天童市の山形県総合運動公園のアリーナで行われた石川裕一引退試合には、多くのファンが駆けつけてくれた。




途中から出場した石川選手は、武器であった3ポイントシュートを決めた。


会場は大いに盛り上がり、福岡県から遠路来られたお母さんの涙が、とても印象的であった。





引退セレモニーでは、同期の高橋祐二選手や藤岡昴希選手が、労いの言葉を贈り、最後はファンの皆さんからもみくちゃにされていた。





その後、棟方公寿、ジョセフ・クック、小野寺龍太郎の3人のヘッドコーチの下で、アシスタントコーチとして多くを学んだのだろう。


ご本人も、そう話していた。


そして、香川ファイブアローズで、ヘッドコーチとして、その重責を担われたのである。




先日、パスラボ山形ワイヴァンズのフロントメンバーと食事をした際、「アシスタントコーチとヘッドコーチは、まったく違う仕事であり、ヘッドコーチは全責任を担う」と、語られた石川裕一HC。


「だから、勝利にこだわる」とも。


数年の間に、「こんなにも大きく成長されたんだなぁ」と感心したのであった。


いよいよ、石川裕一HCのチーム編成が整ってきた。


石川裕一ワイヴァンズの第二章が始まる。




あの2016年に見た夢の先には、きっと夢の続きが待っているはず。


石川裕一ワイヴァンズの物語を、是非、一緒に作って行ってほしいと思うのである。