映画「ファミリア」は、理不尽な世界で、話す言葉の違いも育った環境の違いも超えて、「家族」を作ろうとする人々の物語である。




ブラジル人が多く住む団地で、必死に生きようとしている若者達。


差別や排斥の対極にある、共感の範囲の最小単位の家族。


その絆や願いは、絶望よりも深く、憎しみよりも強靭である。




役所広司演じる陶器職人と、プラントエンジニアとしてアルジェリアに赴任中の吉沢亮演じる息子と、差別に遭いながらも必死に生きる在日ブラジル人の青年が織りなす、切なくも愛情溢れるストーリーである。




メガホンを持った成島出監督は、「この作品は、絵空事ではなく、我々の身近にある物語。家族や社会を思うきっかけになってほしい」と話す。




また、役所広司と佐藤浩一を、同じ画面で撮影したいという、成島出監督の念願も果たせた作品となった。




生きるということは、繋がることなのだろう。


人と社会、人と町、人と仕事、人と人。

出会い繋がりながら、大人になっていく。


そのプロセスは決して心地よいものだけではない。

言われなき侮蔑、予想だにしない悲劇、それらに遭遇する場合もある。


いつも、傷んだ心を癒し再生してくれるのが、家族のような存在である「ファミリア」なのであろう。


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是非、溢れる愛情を感じ取ってほしい。