「髪を洗ってやるよ」


それは、男と女でいられる

最後の夜のことだった




瀬戸内寂聴さんと井上光晴さんとその妻をモデルに、井上夫妻の長女である作家・井上荒野が綴った傑作小説が、「男女を描いたら日本一」の廣木隆一監督が映画化。




今年、5本の公開作品を持つ廣木隆一監督。


先月の山形国際ムービーフェスティバル(YMF 2022)にも参加いただき、映画「母性」の舞台挨拶を行い、行定勲監督と佐藤信介監督と、夜中まで映画談義。




福島県を故郷としているからか、「余命1ヶ月の花嫁」のキャンペーンで初めてお会いした時から、とても気が合った。


そこからは、ほぼ毎年お会いしており、廣木隆一オリジナル作品の「海まで何マイル」を、ダイバーシティメディアと吉本興業で共同で制作した。




2021年11月に、99歳で亡くなった、作家で僧侶である瀬戸内寂聴が、1973年に51歳で出家した背景には、妻子ある作家・井上光晴との道ならぬ恋があった。




最晩年まで、新聞や雑誌に連載を持ち、著作は400冊を超える、天台宗の尼僧。

2006年、文化勲章を受章する。

「寂庵」や「天台寺」で、悩みを抱える多くの人に耳を傾けていたほか、反戦・平和を訴える発言や行動を続けていた。




当時、自伝的小説「夏の終り」などで人気を得た瀬戸内晴美と、「地の群れ」などで戦後文学を代表する井上光晴、2人の関係を承知しながらも添い遂げた井上の妻。


その渦中で育った井上夫妻の長女で直木賞作家の井上荒野が、3人をモデルに綴った小説「あちらにいる鬼」


「書くこと」と「愛すること」で繋がれた男女が織りなす、非凡な関係を描いた傑作が、寺島しのぶ、豊川悦司、広末涼子が熱演し、廣木隆一監督が魂を吹き込み、珠玉の作品として完成する。


是非、劇場で観てもらいたい作品である。


ムービーオンにて上映中!