6月19日(日)、午前11時にAbemaTVのスイッチを入れる。


これまで、AbemaTVを視聴する機会は、ほとんど無かった。


しかし、この日は、数日前に購入したペイパービューのチケットで、インしたのである。




そこからは、会場である「TOKYO DOME」と、自宅のリビングが繋がり、午後10時までの11時間のイベントが始まったのである。




数ヶ月前から、様々な場面でストーリー作りは始まっていた。


ライジンでは無敗の若き王者、23歳の那須川天心。

そして、K1の絶対王者の武尊は30歳。


勝っても負けても、天心はこの試合でキックボクシングのスタイルから引退し、プロボクサーの道に進むことを宣言していた。


また、武尊は、那須川天心が高校生の頃に、戦いたいとの要望を受け、7年の時を経て、満を持して迎え撃つ。


直前に、フジテレビが地上波放送を止めるが、それが結局、このモンスターの様なアクセス数と、ペイパービューの凄さを、天下に見せつける興行となる。


もし、フジテレビが予定通り放送したならば、AbemaTVの加入アクセス数は、ここまで増えなかっただろう。




リングサイド300万円ナドのチケット興行収入は、20億円に上ったそうである。


プラス配信は、50億円とも言われる。


プロボクシングの世界戦も、先日の井上尚弥や村田諒太の試合は、Amazon primeでのペイパービューであった。


これからの、格闘技の放送・通信の在り方を決定づけるイベントになったのだ。





自分が最も驚いたのは、4、5千円で、家族の誰かや、友人の誰かが、チケットを1枚購入すれば、自宅のリビングが、TOKYO DOMEと一体感を持った「試合会場」の現場と化すのである。


10時間、その日の16試合を観ながらホームパーティーをして過ごすのもよし、テレビはそのままにして、途中、買い物や美容室に行って戻って観るもよし、放送ではできない、通信だからできるイベントの在り方を体感したのである。


例えば、スポーツの試合のイベントを2日間するなら、48時間のペイパービューで、自宅のテレビをつけっぱなしでいいのだ。


日本テレビの24時間テレビも似ているが、同じ空間の共有とは少し違うし、「お金を出して参加する」「自分の好きな価値を買う」という概念が圧倒的にちがうのだ。


対戦カード、ストーリーの作り方、ニーズの見せ方など、榊原氏の興行力には、驚きしかなかった。


放送通信業界や、スポーツ・エンタテインメント業界に身を置くものとして、とても感激したイベント「THE MATCH」であった。