スーパーで万引きしようとして店長(松坂桃李)に見つかり、追いかけられた少女が、全力疾走で逃げる途中に車とぶつかる。

飛ばされた彼女を、大型ダンプカーが轢き潰す。



亡くなった少女の父(吉田新太)は、関係者を追及して追い詰めていく。

スーパーの店長、学校の先生、車を運転していた若い女性など、皆、逃げ場がなくなり自殺を図ったりする。



誰一人幸せではなく、映画を観続けるのが苦しくなるほど、多くの悲しみが描かれている。



負の連鎖の中、喪失感や絶望感を持った人々の傷跡を、それぞれが葛藤しながら、ちょっとした「共感」や「繋がり」によって、心の中の嵐を静めていく。


人と人の距離や空間、知らず知らずのうちに「空白」が生まれていく。


「空白」を埋めるものは何?



日常の中で、起きそうな事件であり、それだけにいろいろ考えさせられる作品である。


ムービーオンで上映中。