いよいよ、来シーズンのチーム作りが佳境を迎えている。

それは、Bリーグのすべてのクラブに言えることであり、各クラブのヘッドコーチやチームスタッフ、さらにはGMやフロントが、日々刻々と変化する状況を把握し、打ち合わせを夜中まで行なっている。

選手に対する、各クラブのオファーも激しく、オファーが重なることも多い。

最近の傾向では、B1とB2の選手の移動も多く、その垣根も低くなり、Bリーグ全体のレベルアップに繋がっている。



先日、セルビアにいるライコビッチHCと、ライアンAC、佐藤洋一GMとミーティングを行う。


自分の語学力が低い為に、身振り手振りが多くなる。


ライアンも、しっかり通訳してくれるのだが、自分もライコビッチも、伝えたい一心で、話す前に身振り手振りが出てしまう。




ライコビッチは、それぞれの選手のスキルは当然重んじるが、チームの機動力として、どういう組み合わせだとベストなのかを、最も大切な基本としている。


なので、「この選手がどれだけのスタッツを残している」よりも、「誰と組ませ、どんなパフォーマンスができるのか?」という、「点ではなく線」「動きの連携の中での個人」を重視する。


その辺の、各パターンや各ミッションの事をライコビッチが話し出すと、彼の思考イメージの事なので、自分達は、なかなか理解できないのだ。


しかし彼は、一生懸命に説明してくれるので、ミーティングは大抵の場合、予定の倍の時間がかかってしまう。




「この場合の、第1のミッションは…、第2のミッションは…」と、戦略について話すライコビッチ。


自分は、「それらの優先順位は?すべて大切なのは分かっているが、予算と期限がある。」と話す。




話しながら、それぞれが黙って考え込む時間。


最終的には、すべて、ライコビッチの決断と、チームの予算の中で方針が決まるが、具体的な詰めや、選手へのオファーと交渉は、すべて佐藤洋一GMが行うこととなる。


ただ言えるのは、ライコビッチが、昨年以上のチームを作ろうと必死であること。
そして、日本人選手に於いては、着実に、イメージ通りの選手を獲得し、ライコビッチの狙うチームに近づいている。


そして、外国籍選手にも、動き出している。

昨シーズンは、何と言ってもスクーティー、ランス、キースのプレーの連携が良く、プライベートな仲も良かった3人。
結果としてスクーティーがB2得点王となった。
それによって、サラリーも高騰し、同じ様なチーム編成はできないかもしれない。


しかし、ライコビッチが目指すのは、あくまでチームバスケット。

「みんなで守り、みんなで攻撃する。」

だからこそ、多くの戦略を、シュミレーションしているのだろう。



ミーティングの終わりに、ライコビッチの愛娘ペトラが顔を出してくれた。


「山形に早く行きたい!」と、笑顔で手を振ってくれたのである。