昨年は、新型コロナウイルスの感染が始まり、やむなく中止になった、山形交響楽団の「ドラゴンクエストの世界」

本来であれば、昨年の4月、やまぎん県民ホール(山形県総合文化芸術館)のオープンに合わせて、すぎやまこういちさんも来場され、新たな劇場でのコンサートの予定だったが、やむなく中止。

ドラクエのファンからすれば、その想いは2年越しの待ちに待ったイベントとなった。



4月29日、自分にとっては、初めての「ドラゴンクエストの世界」を体験する。

パソコンやテレビゲームが大好きだった自分。
大好きなロールプレイングだけに、いつか聴きたいと思っていた。
昨年のチケットを初めて購入したが、残念ながら払い戻し。
そして、今年になって、再購入したのである。

妻と息子夫婦と、義理の兄親子と、「ドラクエの世界」に没入したのである。



毎回楽曲は変わるらしいが、今回は、『交響組曲「ドラゴンクエストIII」そして伝説へ…』

元山形交響楽団指揮者の大井剛史さんの指揮が素晴らしく、最後は勇者の如く、ドラクエの世界で踊っているようであった。

軽妙なトークも、とても好感が持てたのである。



会場は、ほぼ満席。

ゴールデンウイーク初日とあって、家族連れや友達同士が多く、やはりドラクエ世代の方が集まったようである。

山形交響楽協会の園部稔理事長もいらっしゃり、お話をさせていただく。



「ドラゴンクエストIII」は、自分の心のエネルギーを満たしてくれたゲームである。

自分は20歳になった頃、富士通の「FM7」というパーソナルコンピュータを購入した。

その理由は、光栄のシブサワコウ作のシュミレーションゲーム「信長の野望」や「デゼニランド」をやりたかったからである。

それから2、3年後、13歳年下の弟は、中学生の時にNECの「PC8801」にはまり、それを自分も使わせてもらう。

その後、スキルアップされた「PC9801」の前に毎日座り、「信長の野望」「三国志」「シムシティ」などのシュミレーションゲームにはまっていく。

同時に、ロールプレイングゲームでは、ファミコン、スーパーファミコンで、「ドラゴンクエストシリーズ」や「ファイナルファンタジー」にどっぷりハマったのだ。


自分の記憶で、1番最初に読んだ本は、千歳幼稚園時代に読んだ「エルマーの冒険」である。

エルマーが、リュックサックにチョコレートやみかんを詰め、動物の島に囚われている「龍」を助けにいく。

まさに、ロールプレイングゲームと同じテーマであった。

人生の生きる基本が、そこにあったような気がしてならない。
(10年ほど前に、脚本家の伊藤ちひろさんから指摘された)


「ドラゴンクエストIII」は、父が山形市長選挙で落選し、家族みんなが失意の中におり、父は再起を目指して頑張っていた頃に出会ったゲームである。

このゲームのお陰で、心の中で、「勇気」や「挑戦」の意味を再確認したのを覚えている。

その気持ちが、その後の、「ケーブルテレビ山形」の設立など、「エルマーの冒険」同様に、自分の人生に大きく影響を及ぼした。

忘れられないゲームである。



楽曲のうち、半分以上は知っており、当時の思い出が蘇った。
後で追加された曲もあったとのこと。

アンコール曲。
ドラクエイレブンの序曲が、オーラスの曲。

勇気をもらった。



多くの人々が、満足感いっぱいで、帰路に着く。

皆んなが語っていた。

「帰ったら、ドラクエやりたい!」


自分もそう思った。



来年も、4月29日の同日に、この場所で「ドラゴンクエストの世界」が開催されるそうである。




翌日の山形新聞にも、大きく取り上げられていた。



最後に、パーツ毎、大拍手を浴びた山形交響楽団の皆さんの素晴らしい演奏と、指揮者や観客との一体感に、心から敬意と感謝を申し上げたい。