山形国際ムービーフェスティバル2日目の最後の招待作品は、昨年のYMFで製作発表をした郭珍弟(グオ・チェンディ)監督の作品「越年 Lovers」である。



昨年のこの日は、主演の2人はまだリリースされていなかったが、山形出身の峯田和伸さん、橋本マナミさんという、地元山形にとっては、夢のカップルが出来上がったのであった。



前プログラムである「MANRIKI」の上映中から、「越年 Lovers」を観に来られコリドールへ並ぶ方々。



初出しの話題の2作品が続けて上映ということで、YMFでは初の、一日券での会場入れ替えが行われた。



舞台挨拶の数時間前、突然のハプニング。

山形新幹線に乗って山形に向かっていた峯田さんが、高熱による体調悪化で、米沢から引き返したのである。

本人は、無理をしてでもステージに立ち、皆さんへご挨拶をしたい意向だったが、翌日からのスケジュールも鑑み、運営委員会と事務所と話し合いの結果、他の出演者に舞台挨拶をお願いすることになったのである。



それでも会場は超満員。

今回のYMF山形国際ムービーフェスティバルでは、笑福亭鶴瓶さんの主演映画「閉鎖病棟〜それぞれの朝〜」の鶴瓶師匠と主題歌を歌うKさんの舞台挨拶、有村架純さんの主演映画「そして、生きる」の有村架純さんと月川監督の舞台挨拶について、3回目の大入りとなった。



郭珍弟監督は、この1年間で、台湾、マレーシア、日本の山形にて、3つの国で撮影をし、見事に岡本かの子原作「越年」を映画化した。

第1幕は、台北とマレーシアで、不器用な若い恋愛のモメントを、愛おしさを込めて描いた物語。

第2幕は、山形の雪景色を舞台に、「帰郷」をテーマに、追憶の風景を描く。

第3幕は、岡本かの子の「家霊」を元に、台湾の田舎町の食堂で働く女性が人生の帰路に立つ物語。


郭監督は、台湾のアカデミー賞と称される、金馬奨で、最優秀ドキュメンタリー賞を受賞し、海外の映画祭で絶大な評価を受ける。



橋本マナミさんは、山形県出身。
山形での主演映画の上映と舞台挨拶は初となる。

凛とした香りを放ち、これからの女優橋本マナミの未来を示唆する映画となる。



今回のYMF映画祭では、「赤い雪」「海まで何マイル」で主演。
この映画で、3本目であり、テレビや映画に引っ張りだこである。



お笑いの世界に飛び込んだ、山形県出身のあがすけの吉村和彬。

初のセリフがある、峯田和伸さんの後輩役を演じる。
「MANRIKI」についでの出演。



結城貴史さんは、役者としては円熟期にある個性派。

主演映画「オボの声」は、ムービーオンでも公開された。



出演者皆んなが、山形に帰ってきて、同窓会か親戚の集まりのように仲が良い。

「チーム山形」であるのだ。

峯田和伸さんが来られないのは残念だったが、満員のお客さんは、満足してくれたと思う。



新しくなった文庫本も、八文字屋さんで発売中。

是非、映画と原作を見比べてほしい。

来年2月の公開予定!
お楽しみに。