昨日のアウェー戦、西宮ストークスとの試合は、長らく模索してきた、新生ワイヴァンズのカタチがやっとできてきた感じがした。


9連敗という、長い夜が続いている。
パスラボ山形ワイヴァンズとしては、これまでで最も長いトンネルである。

それまでは3勝3敗であったが、スティーブン・ハートが脱臼をして戦列を離れてから1度も勝てていない。

チュウも来日した時からコンデションが悪く、膝の痛みを抱えながら試合に出場するが、昨年のパフォーマンスの半分にも満たない。

トリアンも、得点力は抜群であるが、チームプレーやディフェンスは、全然ダメであった。
そこから、チーム内がギクシャクしだした。

しかし、昨日の試合は、この連敗中に何度もコミュニケーションをとり、練習を重ねてきた、ワイヴァンズの「新しいカタチ」に実感を持てたのである。



終了の7秒前まで、山形ワイヴァンズが2点リードの80点対82点で2点リード。

それを守り切れば!

皆んなが、全身全霊で応援をする!
心から勝ちたかったのである。


そう思った矢先、残り0秒で追いつかれた。
82点対82点の同点で、オーバータイム(延長戦)に突入。


やっと掴めると思った「勝利」であるが、手から零れていく。

パスラボ山形ワイヴァンズを支える多くの人たちが、落胆の溜め息を吐いた。

延長戦では、張りつめた糸が切れたように試合にならなかった。



しかし、あの強豪西宮に対して、2試合とも互角の戦いを繰り広げることができた。

特に、昨日の試合は、河合竜児ヘッドコーチやチームが掲げる、これまでの目標ができてきていたと思う。



外国人選手2人で40点〜50点、日本人選手達で30点〜40点を取り、さらに、例外なく皆んなでディフェンスする。

トリアン24点、ハート27点、岩田13点、中島9点、河野7点…。
チームの総合的な得点パターンが機能していた。

前日から徹底的にディフェンスを行うようになってきたトリアンも、昨日は頑張って必死に取り組んでいたし、ハリーバックもしていた。
リバウンドも頑張っていた。



日本人のモチベーションは、キャプテンの河野選手と、オフコートキャプテンの中島選手が、引き出さなければならない。

それをしっかり、ここ数試合、彼らは体現している。

これからも、2人がチームを引っ張り、古橋や岩田や伊澤たちが続いてほしいと思う。

また、新入団の上杉や岡本や和田も、思い切って確実なプロのプレーを体現してほしい。



昨日の試合は、けして最下位のビリのチームの戦い方ではなかった。

まだまだ改善をして、レベルステージを上げないといけないが、戦えるところまで、チームは戻ってきている。


河合竜児ヘッドコーチはじめチームスタッフも、佐藤洋一GMも、ほぼ休みなく夜中まで様々な立て直し案を検討し、実践している。

今日も、朝から重要ミーティングを重ねている。



人間的にも素晴らしく、日本人の心を持つチュウ。
大きな身体だけに、膝に負担がかかってしまう。

彼のダンクシュートは、ここ数年、ワイヴァンズの魅力のひとつであった。

それが、今年は出ていない。



トリアンの身体能力は、ずば抜けている。
アメリカでは、大学リーグで得点王に輝いた実績もある。
NBAの下部リーグのオファーを蹴り、パスラボ山形ワイヴァンズに加入してくれた。



ビックマンだけど、スリーポイントも決めることができるスティーブン・ハート。
ハートの、ひたむきな努力は素晴らしく、ケガの間も、バスケットボールの練習の他、しっかりスポーツジムで、ウェイトや筋トレを積み重ねていた。


今のBリーグのレギュレーションでは、外国人選手の出来不出来が、勝敗に大きく影響を及ぼす。

それだけに、そのコンディションやケガ、回復の期間などを、チームと選手の信頼の上に立ち、決断しなければならない。



ブースターWYLBの、近藤会長が「ONE TEAM」を語られていた。
近野副会長も、「ワイヴァンズ愛」を唱えてくれた。
Facebookで、友人のアベちゃんは、前半戦10勝20敗、後半戦20勝10敗、そうなれば5割になると書いていた。


それらの思いも含めて、この夜を終わし、朝陽を呼び込まなければならない。
厳しい冬を終わし、春の花々を咲かせなければならない。


何よりも、山形ワイヴァンズの為に。