山形県民一人ひとりが、目の前で倒れた人に対して、いち早く対応することにより、心肺停止から社会復帰率日本一を目指す為に、「やまがたSOSコンソーシアム」を立ち上げる事となり、その準備会が9月17日(火)に山形医学交流会館ホールにて開催された。



3年前までは山形県は全国40位台のワースト5位であったが、日本蘇生学会の代表理事である川前金幸山大医学部教授が、山形県、消防本部、医療機関の連携を図り、山形県メディカルコントロール協議会を組成し、その会長に就任し、救急救命率向上に取り組んだ結果、全国14位(10.0%)まで押し上げたのである。

しかし、世界のNo.1は、アメリカのシアトルの19.9%で、山形県の約2倍である。



シアトルでは、山形県の2倍の人を助けられる。

そんな現状を目の当たりにしても、医療関係者しか深刻に考えないという山形県を、そのままにしたくないと、様々な分野の人達が声を上げたのである。

そして、日本一の命を守る都市にしようと、皆んなが動き出したのである。

その中心は、川前金幸会長を始めとする山形大学医学部であり、民間からはフィリップス・ジャパン、アルム、そして地元からはダイバーシティメディアが事務局として参加したのである。



山形大学医学部の嘉山孝正参与が、この「やまがたSOSコンソーシアム」の意義を説かれ、素晴らしい試みであると讃えられた。



嘉山先生は、山形県内の医療連携の拠点である蔵王協議会の会長であり、山形大学医学部の重粒子医療施設建設の中心的役割を担っている。

山形県が、がん治療の領域でも、急性期医療の領域でも、日本の先進的で中心的な地域になることにより、山形県民の幸福度は限りなく高まる。

同時に、インバウンドや人口増にも、影響を与えると思う。



山形大学医学部、山形県、山形県立中央病院、日本海病院、山形県医師会、日本赤十字社、山形市消防本部、山形商工会議所、山形県銀行協会、山形県経営者協会、山形県経済同友会、山形県クリーニング、麺類、旅館、社交業、喫茶、興行の各同業組合、NTT東日本、モンテディオ山形、パスラボ、山形新聞社、山形放送、山形警備保障、その他合計50社の多くの参加を得て、「やまがたSOSコンソーシアム」の設立意義が、川前会長より示されたのである。

参加者の熱い思いが、とても感じられた素晴らしい会となったのである。


全国的に、AEDのシェアNo.1のフィリップス・ジャパン社の堤浩幸社長は、「Heart safe city 構想」について話された。

AEDの適正配置とメンテナンス、救護体制づくり、トレーニングと教育の3つの視点による、自助・共助による運営体制により、トータルソリューションで安全を守るとのこと。



アルムの坂野哲平社長は、画期的なシステムである一般者向けの「MySOS」 と医療者向けの「Join」の、2つのスマートフォンのアプリを活用して、救急救命率を上げようと話す。



ダイバーシティメディアの自分からは、5Gを活用した遠隔医療や救急医療について話す。


この数年、自分の仲間達が、突然亡くなったり、心筋梗塞や脳梗塞・脳溢血になったりと、なんとか山形県を救急救命率の最高水準の地域にしたいという想いに駆られての参加であった。



メコムの安部弘行社長。


山形県立中央病院の森野一真副院長。


山形コミュニティ・データ・センターの鈴木秀悦常務。


山形市消防本部の平吹正人消防長。

参加者より、様々なご意見があり、とても熱く有意義な会となった。



山形大学医学部付属病院の中根正樹救急部長より
「この動きを止める事なく、山形県の心肺停止から社会復帰率日本一を目指そう!」と締めの言葉がある。



まだ、物語は始まったばかりである。

今回、立ち上げから、川前先生や中根先生、フィリップスの堤社長やアルムの坂野社長と、打ち合わせを積み重ね、関係各位に趣旨を伝えて参加協力を呼びかけてきた。

しかし、「命を守る為」という、絶対的な価値が、なかなか伝わらなかった。

ボランティアや社会貢献の難しさを痛感したのである。

特に、行政関係者は新しい動きに戸惑いを隠せないようであった。

いつ、自分や、自分の大切な人が倒れ救急車を呼ぶか分からない。
その時、生命の救命率が2倍になるかならないかの話である。

むしろ、世界中で1番の救命率の地域にしたいのだ。

自分の説明不足だったのか…。
力不足を感じた。


そんな中で、産学官金法民が集まり、1つの方向が生まれたことは、参加者の皆さんに心からの御礼を申し上げたい。

川前先生は日本の蘇生学会のトップであり、その方が山形県にいらっしゃるこの時期にこそ、山形県のアドバンテージがあり、この取り組みが、世界の先進例となると思うのである。


「やまがたSOSコンソーシアム」は、救急救命の意識を持つ人…ファーストレスポンダーを増やす組織。

多くの方々へ、是非、今後のご協力をお願いしたい。