夏が終わり、秋の風が肌寒い季節。

集団インフルエンザのニュースも聞こえ出してきた。

こんな時こそ、日常を離れ、好きな人や仲間たちで、映画館に行き、腹を抱えて笑いたい☆

そんな想いにピッタリの映画が、「記憶にございません!」である。



国民的脚本家で、演出家で、映画監督として、これまで日本中にたくさんの笑いと感動を届けてきた三谷幸喜監督の、映画監督作品8作目となる今作品。

「ラヂオの時間」「THE 有頂天ホテル」「ステキな金縛り」の流れをくむ、現代を舞台としたシチュエーションコメディである「記憶にございません!」は、まさに三谷コメディの真骨頂にして最高傑作である!



国民から嫌われ、史上最低の支持率の総理大臣・黒田啓介(中井貴一)は、ある日、一般市民が投げた石が頭に当たり、記憶喪失になってしまう。



自分も浮気、妻も浮気。



アメリカ大統領との会談も、記憶を無くしたままで臨む。



次第に、秘書達から助けられながらも、少しずつ総理大臣として行動していくのだ。



記憶を無くした男が、捨て身で自らの夢と理想を取り戻すのである。

そして、その先に待っていたものとは…。



三谷幸喜さんは、1961年生まれで、自分の誕生の1年後に生まれる。

同じ世代の空気感を持っている。

彼が総理大臣を見る感性、悪徳社長の不正献金を見る感性、そして夫や妻を見る感性など、通じるものがある。

とても質も高く、エンタテインメント性も充分であり、心から満足できる映画である。

できれば、今の中学生や高校生が観た時の感想を聞きたいものである。

是非、ムービーオンに足を運び、しっかり観ていただきたい映画である。