40年も前になる。
そんなに時間が経ったとは思えない。
遠い記憶だが、なぜか、鮮明に覚えている場面がある。
そこには、いつも、この仲間たちがいた。
同じ高校だけではない。
他の高校の仲間もいた。

2年生までは剣道部。
千葉先生、揚妻先生、そして野口先生という剣の達人から、相手の隙に撃ち込むこと、間合いの在り方などを教わった。

1つ上の山形南高校の応援団の先輩は2人のみ。
同期も2人のみ。
春と夏のスポーツ部の応援もできず、応援団は存続しないような風向きだった。

十数名の仲間たちを誘い、名門で伝統ある山形南高校応援団に入る。
その年の夏の甲子園山形県大会は、決勝戦まで進んだ。
本命の山形東高と日大山形から勝ち、決勝の相手は、酒田工業高校。

惜敗だった。
甲子園まで、あと一勝。

学生服からは塩が吹き出て、白い粉となった。
フラフラになりながら、タクトを振り続けた。

ほろ苦い思い出である。



あれから40年。

仲間たちとのひと時。
元気でいてくれることが、何より嬉しい。
それぞれが、精いっぱい生きてきたことは、誰よりも仲間たちが知っている。



戦時中、「同期の桜」という歌があった。

4月は、卒業式が終わり、入学式の季節。
新しい扉を開ける時期である。

とても楽しく、笑いっぱなしの時間だった。
それぞれにエールを送る。

山から降りた君よ、新天地で頑張って欲しい!