麗らかな春。
3月1日の金曜日。
東海大学山形高校の3年生237名が、卒業式を迎えた。



2011年に理事長に就任した自分にとっては、8回目の卒業式である。


これまでの卒業式にも様々な思い出があるが、今回の卒業式は、参列した多くの人が、感動して涙した卒業式となり、心に刻まれるものとなったのである。



東北でもトップクラスの東海大学山形高校のブラスバンドの演奏が始まり、在校生、先生、PTA、来賓などが見守る中、この春卒業する3年生達は、胸を張り行進をし体育館へ入場してくる。



約90名が4年大学に進学、短大と専門学校が約80名、約70名が就職と、明日からは門を出て、それぞれの道を歩み始める。

卒業式は、みんなが集まる最後の日。
凛々しく元気な声で、名前を呼ばれ返事をしていた。

そこには、3年前の春の不安げな1年生の姿はなく、大人顔負けの逞しくなった若者たちの輝きがあった。



この日、学校長としては最後の式となる阿部吉宏校長先生が、1つ1つの動作を心に刻むように、とても丁寧に愛情を持って、卒業生へ卒業証書を渡していた。



阿部校長の式辞。

東海大学の建学の精神、人間力、学ぶ4つの力、教師と生徒が共に学ぶ共育、生徒たちの「心の成長」「人や事との繋がり」を重点に置いた考えを、しっかりとした口調で話されていた。



自分が理事長に就任した時より、生徒は300人も増え約870人。
今年も、卒業生を上回る入学生が来るようであり、嬉しいかぎりである。


東海大学山形高校での3年間の授業の在り方や学ぶ意義、そして、卒業後の進路の明確な道が浸透してきたのかもしれない。

先生方の絶え間ぬ努力と真摯な姿勢がある。



理事長として、この自然豊かな蔵王山の麓の、深い緑と広い青空と川のせせらぎの中に、「多様性の泉」が湧き出るような校舎をつくり、「命の大切さ」「平和教育」「インクルージョンの理念」を学び、これからの新しい時代を生き抜く力を持って欲しいと話す。



送辞は、2年生の齋藤楓真くん。
3年生への御礼と、旅立ちへの祝福、そして、自分たちの責任をしっかりした言葉で述べていた。



卒業生たちも、しっかり聞いていた。



そして、答辞は卒業生を代表して、鈴木茉侑さん。
先生方への感謝、仲間たちへの感謝、お母さん、お父さんへの感謝。
自分の言葉で話すので、みんなが自分のことのように彼女の言葉が胸に沁みた。



そして門出の時、生徒たちは、先生方への感謝を伝え、振り返ってご両親にも「ありがとう」を伝えていた。

こんなに涙した担任の先生方がいただろうか、こんなに涙した卒業生がいただろうか…。

素直で真っ直ぐな、素敵な生徒たちである。



卒業式の終了後、来賓控え室で、皆さんへ感謝を申し上げる。

涙を流し過ぎた校長も、感謝を申し上げた。

参列者からは、素晴らしい卒業式だったとの声。



桜の花が、いたるところに咲いていた。

卒業式には、花が似合う。

237名の卒業生の未来が、幸せでありますことを、心より祈りたい!