その時は、麻婆豆腐(赤)と、具だくさん五目餡かけつゆそばを食べたが、予想以上に美味しかったので、その場で母親を連れて来ようとなり、この日になったのである。
とても美しい「前菜五種銘々盛り」が、丁寧に運ばれてきた。
素晴らしいホスピタリティとサービスである。
自分より若いが、とても尊敬している、パレスグランデールの武田靖子常務のフィロソフィーが、しっかりと行き届いている。
「蟹肉入りフカヒレスープ」
コクがあり、中々ここまでしっかりしたスープは少ない。
世界中の中国料理を食べて来た母親は、この時点で、「これは美味しい!山形ではなかなか無い!」と絶賛していた。
「海老の老酒風味」
味付けが良く、老酒が染みている。
「ホタテと山形野菜のブラックビーンズ炒め」
これまでの料理とは味付けがまるで違って、塩とコショウが効いており、その変化が美味しさを引き立てる。
「和牛のステーキ 山形野菜ガロニ添えアンチョビソースかけ」
脂濃くなく、むしろ箸休めになる。
「ソイの姿揚げ 甘酢仕立て」
良質な黒酢が効いており、味が濃くなく、その分くどくなく飽きない。
「香琳麻婆豆腐」
香琳の十八番の料理で、本当に美味しい。
さらに一品料理を注文する。
「具だくさん五目餡かけ焼きそば」
上海式田舎チャーハン。
絶品である。是非、お試しを!
最後に「りんごのコンポート 杏露酒風味 胡麻ムース添え」が出てきて、コース料理は終了。
満足できる、ちょうど良いコースである。
品々が出てくる間も良く、待たせない為、中国料理でありがちな無駄な時間がない。
次は、弟の子どもの受験が終わったら、みんなで食べに来ようと…すでに春が待ち遠しいらしい。
円卓を囲む家族の和。
儒学の教えなのだろうか…。
心が温かくなった夜である。