12月14日(金)、ムービーオンにて、映画「ここは退屈迎えに来て」の有料上映会と、廣木隆一監督の舞台挨拶が行われた。



なんと、今、人気急上昇で、主題歌と劇中歌を書き下ろした、フジファブリックの3人も駆けつけてくれた。



詩的なタイトルが鮮烈な印象を残す、山内マリコさんが2012年に発表した小説を、今や映画界の最も引っ張りだこの廣木隆一監督が映画化したのである。

2004年の高校時代から、2013年の今までの10年間を、行ったり来たりしながら、揺れ動く若者たちの心情を描く群像劇。

「私」を橋本愛、「あたし」を門脇麦が演じる。
そして、高校時代から憧れの的であった「椎名くん」を成田凌が演じる。

村上淳と橋本愛が移動する外車が、色彩も雰囲気もオシャレでセンスが良く、この映画のイメージを原色にする。

ファミレス、錆びれたゲームセンター、郊外のラブホなど、日本の中のどこにでもある田舎町が舞台。

まるで、日本版の、「アメリカン・グラフティ」のような映画である。



「ここじゃない」「それじゃない」「あなたじゃない」…私って何者?

もどかしい想い、それでも羽ばたくことを「夢」見てやまない高校時代。
そして、その後の「現実」のリアルを生きる彼らを、瑞々しく描いた作品である。



廣木隆一監督は、福島県出身の64歳。

「余命一ヶ月の花嫁」「軽蔑」「ストロボ・エッジ」「ナミヤ雑貨店の奇蹟」「彼女の人生は間違いじゃない」などの話題作やヒット作を手がける。

さらに、ネットフリックスのドラマ「火花」10話の総監督を務める。

YMF山形国際ムービーフェスティバルには毎年参加してくださる。



フジファブリックの初期の「茜色の夕日」が劇中でドラマチックに使われている。
また、エンディング曲「Water  Lily  Flower」の他7曲を書き下ろしたのである。




これまでの廣木監督の舞台挨拶の中で、最も盛り上がった舞台挨拶となった。



途中からは、お客さんと一体になったジャンケン大会。

勝ち抜いた人に、フジファブリックのサイン入りカタログやメモ帳がプレゼントされた。



満員の観客の中で、花束が廣木監督とフジファブリックの3人に渡される。

今回の映画には、廣木監督の撮りたいシーンがたくさん詰まっている。
カメラワークや、映像の広さを感じて欲しい。

そして、今、旬の俳優陣の演技も素晴らしい。



舞台挨拶の後、雪が降る中、山形市の七日町の「辰寿し」で、「鴨鍋」を囲む。


廣木隆一監督、KADOKAWAの山本晃子宣伝プロデューサー、ソニー・ミュージックアーティスツの金吉唯彦企画開発本部長と、映画「ここは退屈迎えに来て」の製作過程の話やエピソードを聞く。



実は今回のキャンペーン、YMF山形国際ムービーフェスティバルの時に、廣木監督が「フジファブリックか橋本愛を連れて山形に来たい。やりたいなぁ〜」と話したことがキッカケで実現したのである。



廣木監督、山本宣プロ、金吉部長、皆さん日本酒党。

山形県産酒を飲まれ、大ファンになったとのこと。

廣木監督は、シナリオ協会理事長の加藤正人さんから叱られる(笑)と話されていた。



山形の冬。
雪の中、とても暖かい会食となったのである。

廣木監督とは、近々、別のミッションでご一緒する予定。


そういえば、自分の大好きな映画の「アメリカン・グラフティ」の2作目のDVDを、贈ってくださったのは、廣木監督だったのである。