10月24日(水)、東海大学山形高校にて、総合学習コースに「アニメーション科目」を新設することについて、記者会見を開催した。



東海大学山形高校からは、阿部校長と理事長の自分、テレコム・アニメーションフィルムズからは、淨園祐社長、伊東耕平経営管理室長、与澤桂子作画部担当部長、白組からは粟飯原君江広報担当プロデューサーが出席した。



2年前のYMF山形国際ムービーフェスティバルの初日の夜に、自分と淨園社長の出会いから、何度も打ち合わせをしてこの日を迎えた。

現在、ルパン三世を描いているスーパーアニメーターでもある、山形県上山市出身の小池健監督と一緒に、淨園社長がYMFへ参加した時に、アニメーション業界のことや、モノづくりは人づくりなど、多くの話をお聞きした。

淨園社長の話は、とても興味深い内容であったし、教育の観点からもアプローチをしたいと思った。

そして、地域の産業創出にも繋がると思えたのである。



東海大学山形高校は、新校舎の建設の最中であり、各教室でインターネット授業が可能になる環境を作っていた。

阿部校長はじめ経営陣は、「生徒たちの多様性の実現、それぞれの資質を活かす可能性」を模索している時期でもあったのである。

阿部校長や岡田副校長、山内副理事長や各理事は、前向きに実現したいという気持ちであった。


産業としてのアニメーションとの関わりは、子どもたちの将来的就業へと続く道が拓ける。

また、アニメーションの世界とは違う道に進んだとしても、2年間の授業の中で、「気づくチカラ」や「表現するチカラ」を身につけられる。
さらには、個人でするモノづくりとチームでするモノづくりを学べる。

そんな思いから、東海大学山形高校の新たなるチャレンジが始まったのである。



今回、東海大学山形高校と提携をして、授業のカリキュラムやノウハウ、さらには直接指導をいただくのが、アニメ制作の老舗である「テレコム・アニメーションフィルム」と、CGの第一人者である「白組」である。



テレコム・アニメーションは、スタジオジブリの宮崎駿さんや高畑勲さんも所属していた老舗制作会社で、「ルパン三世カリオストロの城」や「じゃりン子チエ」などを制作している。
親会社のトムス・エンタテインメントは、「名探偵コナン」や「アンパンマン  」など、日本のアニメーションの中心の会社である。



一方の白組は、「ALWAYS  三丁目の夕日」など「DESTINY  鎌倉物語」などを手がけ、「永遠の0」や「海賊と呼ばれた男」の山崎貴監督は、2020年のオリンピックで開会式などを演出する。

自分は、山崎貴監督との出会いにより「白組」という名前を知ったが、今回は、テレコム・アニメーションと白組の様々なコラボレーションの中で、粟飯原プロデューサーをご紹介いただいた。

彼女は、アニメーション業界のほとんどの方を知っている方であり、その知見と知識は素晴らしい。



普通高校で、常設コースで、2年間で240時間もアニメーションを学び、講師の先生も、日本一のアニメーションの2Gと3Gの企業である。

どちらの会社も40年以上の歴史を持ち、人材育成は、日々の積み重ねの中で実践しておられる。

最初のミーティングの時、淨園社長から「80歳のお婆さんの顔を描いてください!」と自分たちが問われ、描けなかった。

「どこにシワがあるか?どんな色をしているか?」
そんな「観察力と気づき」が必要なのがアニメーションと言われた。



報道関係者は、14社がお集まりいただく。



阿部校長からは、東海大学の3つのコースの説明があり、その中の総合学習コースの2年次から「アニメーション科目」を導入するとした。

モノづくりのベースを学ぶことができ、生徒の多様性を広げられると話された。



司会は、岡田副校長。



テレコム・アニメーション淨園社長は、「アニメーションと人づくり」と「教育的視点」を最初に話される。

また、アニメーション産業としては右肩上がりで2兆円の市場規模なのに、アニメーターの高齢化が進んでおり、若い方の育成が急務であると語る。



白組の、粟飯原プロデューサーは、「東京の空と、山形の空が違うこと。浮かぶ雲が、どの様に形を変えていくのか?その探究心こそ自分を伸ばす鍵。森羅万象と通じることが分かってくる。」と話された。



その後、質疑応答の時間だったが、一時間を超えて質疑応答が続き、自分としては、様々な角度からしっかり話し合えた記者会見であったと思う。



カリキュラムの内容も、実は基礎的な骨子ができているのだが、そこは、今後の東海大学山形高校のオリジナル性になるので、概略だけ説明させていただく。

スタジオジブリの宮崎駿さん、スタジオ地図の細田守さん、「君の名は」の新海誠さん。
その様なスーパーアニメーターや、一緒に仕事をしている方々が、今回集まってくださったのだ。

とても光栄で、東海大学山形高校としてはラッキーなこと。



記者会見が終わってからも、取材が続いた。


来年のNHKの朝ドラは「なつぞら」
広瀬すずちゃんが主演。

内容は、今のアニメーションのスタートである、「東映アニメーション」に存在していたその後の巨匠たちの若かりし青春時代を描くとのこと。

テレコム・アニメーションにいた方々、白組の会長、ジブリの宮崎駿さんなど、多くの方々の若かりし頃を見られる。

そんな昔からの、実は最も暮らしの側にあった漫画やアニメーション。

今回、専門的な学びができる貴重なカリキュラムをいただく。

東海大山形高校の「新たなる旅立ち」である!