「トイ・ストーリー」をはじめ、世界中の人々を魅了してきたピクサー・アニメーション・スタジオ。
その長編20作目となる節目の超大作が「インクレディブル・ファミリー」である。
悪と戦い、人々を守るヒーロー達だが、その驚異的なパワーが、建物を破壊したり、人々の暮らしにダメージを与えるため、活動禁止となってしまう。
そんな中、ある富豪の姉妹から、ミッションを依頼される。
依頼されたのは、父親のボブではなく、母親のヘレンだった。
ボブは、慣れない家事と子育てを受け持つ。
いわゆる、「イクメン」である。
しかし、物語はまるで違う方向へと動き出す。
世界を恐怖に陥れる、驚愕の陰謀。
ヘレンの身にも危機が迫る。
ヘレンを助けに、父親のボブ、娘のヴァイオレット、息子のダッシュ、驚異的なパワーを開花した赤ちゃんのジャック・ジャック。
家族がひとつになり、悪と戦う!
フツーの家族でありながら、やはりフツーの家族ではない。
彼らはヒーローなのである。
この作品は、これまで以上に、映像的にも、キャラクターや背景の色彩、その動きが素晴らしい。
CGの最先端の粋を集めてる。
時代をさかのぼるミッドセンチュリーデザインを採用。
例えば、ヴァーチャルな自然光を使って、旗や障害物からリアルな影を落とし、ちょっとした真実味をシーンに加味している。
また、作り手達は、個々のエリアごとにデザインするのではなく、都市全体を作り上げる形で進めた。
建物や歩道、パーキングメーター、道路標識、新聞ボックス、歩道のカフェ、道路を走る様々なクルマなど。
ブラッド・バード監督も、「今回のキャラクターは、1作目の映画より、もっと、もともとのデザイン画に近いんだ。1作目ではだいぶ近づけることができたものの、完全ではなかった。しかし、今回は、完全。」と言う。
Disney…ディズニーと、PIXAR…ピクサーがひとつになり、新しい世界観が完成しつつある。
テクノロジーの進化と、普遍的な人間ドラマ。
声優陣も、三浦友和、黒木瞳、綾瀬はるかなど、キラ星の如く魅力的だ。
この猛暑の夏、是非、ムービーオンに足を運んでほしい!