雪の中に佇む東海大学山形高校の新校舎。

夕暮れの、この時間のこの眺めが大好きである。



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時間と空間が、その瞬間のみを演出する。

まるで、映画の「君の名は」のような不思議な世界を醸し出す。

自己の内なる感覚の誤差は、外界の現実よりも優先される。

主観は客観を凌駕するのだ。

だから、その人が美しいと思うことは、誰も否定はできないし、その根源こそ多様性の源泉となるのだ。



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昨年の10月末に落成した新校舎は、予想を上回る、素晴らしい校舎として、全国的にも注目を浴びる。



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正面入り口を入ると、花が飾られている。
旧校舎の時もそうだが、事務室の皆さんが、花のある風景を冬でも創ってくださる。



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中に入ると、広いスペースがある。
東海スペースと言っているらしい。

正面には東海大学の「建学の精神」がある。

その右には、オリエンタルカーペットとデザイナー佐藤可士和氏とのコラボレーションタペストリー「TAIYO」が飾られている。
市村工務店さんが寄贈してくださる。


その一瞬の「皆既日食」の神秘な奇跡の瞬間を表している。

そして左側には、旧校舎を表した縦2メートル、横3メートルのモザイクアートが飾られている。



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新校舎建築時に、工事の騒音や落ち着かない中で、頑張って授業をし、結局新校舎には入ることができずに卒業していった2016年度(2017年3月卒業)の学年全員と、さらにはその下の移転に関わった学年も含めて3学年合計で817名、教職員64名の、総勢881名の氏名が、ローマ字で刻まれている。



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1ピース8センチ×8センチのスクラッチ紙を、1人1枚担当した。



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900枚のスクラッチ紙によるモザイクアート。
そして、881名の氏名。


自分は、新校舎建設に着手した時から、ずっと本間利雄設計事務所さんに言っていたたものである。

この学校の生徒なのに、工事はしているが新校舎に入れない271人の2016年の卒業生の氏名を、必ず刻みたかったとの思いがあったのだ。

その中身は、生徒たちがモザイクアートという素晴らしいアイデアを考え、表現してくれた。



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たぶん100年、200年の中で、そうそうこんなに大規模な新校舎建築工事などはできるものではない。

だからこそ、名前を刻むのである。

今、この時、ここに確かに居た証を…自分の歴史をしっかり刻むことで、きっと未来が見えると思っている。

東海大学山形高校を見学される方がいらっしゃったら、是非、このモザイクアートも見て欲しいのである。