新学期、俺は高校を入学した
「よろしくね!」
隣に来たのは楯山文乃だった
アヤノは思っていたよりも成績が悪かった
「お、おう」
俺のスクールライフはこれから始まった
「おっはよー」
「~~~」
お願いだからもう来ないでほしい
俺は友達よりも勉強なんだ
俺はそのために友達を捨てたんだ
捨てるのは友達をうらぎったようでちょっと怖かった
「シンタロー君ってさ、いつも100点とってすごいよね~」
「・・・こんなの簡単だよ」
でも何もかも分かってしまうのは嫌だった
「でも、なにもかもわかっちゃうなんてつまらないよね!ほら、私頭悪いし」
「そう・・・」
ある日アヤノがいじめられているところを見た
アヤノを追いかけたら放課後の教室で泣いていた
それでも学校を休まずに笑顔を絶やさなかった
俺はひどく胸が痛んだ
ある日アヤノがいなかった
アヤノが学校を休むなんてなんか違和感がある
もしかして引きこもっているとか?
なぜか落ち着かないで寒気がする
泣いている女子が花束を持っていた
そう、アヤノは
自殺したのだ
机の中をよく見ると一つ折りのメモがあった
『シンタロー君へ』
メモを広げてみたら涙が止まらなくなった
「アヤノ・・・」
メモの文字が涙で滲む
そのメモの内容は
『ありがとう』